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建物に対する地震の影響
  
建物を構造的に見ると、一般的に、「オフィスビル>レジテンス>商業施設」の順に強度が異なりますが、今回の地震でも商業施設の「パピオンプラザ」の窓ガラスの一部に破損が出ています。
また、ガラス製の防煙タレ壁(火災時に煙が広がるのを防ぐ仕切り)が破損したようですので、地震により建物がかなり揺れたものと考えられます。

今回は、震度6弱を記録した地域にJREITが物件を保有していましたので、地震に対するJREITへの影響を推測する一つの例となります。
JREITが福岡市に保有している建物は全て新耐震基準に合致した構造になっていて、震度6弱の地震では影響は軽微だったと言えるようです。
新聞の報道では、オフィスビルの窓ガラスが破損して落下したとありましたが、詳細は不明ながら、恐らくこのビルは新耐震以前の建物だと思われます。
もちろん、今回の地震だけを見てJREITの保有物件は大丈夫だと速断は出来ませんが、新耐震基準建物の強度は阪神大震災でも証明されていますので、過度な心配は必要なさそうです。
但し、地震に対する影響は建物の物理的被害だけでなく、ガス・水道・電気等の公共インフラの遮断によって、テナントの業務活動に支障が出ることのほうが大きいことが分かります。
公共インフラの遮断が長期に亙れば、テナントの業務活動が停止し、その間の賃料収入が減少するという事態が想定されますので、仮に、東京に関東大震災級の大地震が起これば、最悪、1ケ月分の賃料が減少する可能性もあります。
建物への被害修復は、内部留保されている減価償却費の一部で消化されますので、投資家にとっては、配当金の一時的減額というリスクが最も現実的な問題ではないかと思われます。
阪神大震災の例を見ても、地震後の復旧工事には多くの人手が必要となり、修復工事が遅れがちになりますので、地震後の復旧期間が銘柄によって差が生じると考えられます。
その意味では、資産運用会社のリスク・マネジメント能力が問われることになりそうです。
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