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団塊の世代と個人金融資産
  
ここからは、私の予想ですが、Aの選択をする人は、既に早期退職によって動いてしまっていますので、定年退職では数は少ないと考えられます。
@は残りの人生の長さから考えてもやや無理がありますし、元々、そういう志向を潔しとする世代ではありません。 こうなると、Bの可能性が最も高くなります。
積極運用と言っても、株式には少なからずアレルギーを持っていますし、新し物好きという嗜好からも、伝統的投資商品ではないものに目が向くと考えられます。
こうなると、JREITは有力な候補になりそうですが、もし団塊の世代の資金がJREITに流れ込むようになるとJREIT自体を大きく動かすようになると思います。
今のJREITは40代から50歳前後の人達によって作られていますが、これらの現役世代と団塊の世代とは生きてきた時代背景も違いますし、感性も行動も少し異なります。
それと最も大きな点は、長い間、組織に縛られていた状態から離れて、初めて個人としての立場で行動するということです。
団塊の世代は生まれてからずっと団体行動に中で生きてきて、社会(=会社)の一員としての行動に終始してきましたので、定年退職によって、人生初めての個人の立場に置かれることになります。
ある程度の資産を持ったボリュームの大きい世代が個人としての行動を始めれば、社会の多方面に大きな影響を与えますので、その思考パターンが読めなければ、現役世代は対応が困難になることも予想されます。
既に、その兆候はNHK等への批判にも現れていますが、この傾向は今後も強まると考えられます。
仮に、団塊の世代の資金がJREITに流れ込むようになれば、JREIT側にとって、利益相反の問題や投資家重視の姿勢が強く問われるようになるかもしれません。
一方、JREITがこの機会に個人金融資産を取り込むことが出来なければ、オルタナティブ投資商品としての位置に留まるしかありませんので、果たしてどういう投資家戦略を持つかがJREITにとって重要な課題になると思います。
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