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2004.12.24.Up Dated.
REITへの参入銘柄
  
この1年を振り返ってみると、2004年のREIT参入銘柄は、2月の森トラスト総合リート投資法人を皮切りに、3月に日本レジデンシャル投資法人、5月に東京グロースリート投資法人(大証)8月にフロンティア不動産投資法人、そして12月にニューシティ・レジデンス投資法人の5銘柄になりました。
2003年の新規参入銘柄は、東急リアル・エステート投資法人、グローバル・ワン不動産投資法人、野村不動産オフィスファンド投資法人、ユナイテッド・アーバン投資法人の4銘柄でしたから、このトレンドで見れば、2005年も4〜5銘柄の参入がありそうです。
今や、どの私募ファンドでもREIT進出をアナウンスするのが当たり前になっていますから、予備軍には事欠かない状況ですが、REIT進出の理由とメリットを考えると、必ずしも賢い選択ではないという面もあります。
特に、私募ファンドのように高いレバレッジで配当金を捻出しているところでは、REITのレバレッジに戻せば配当金は下がりますし、保有物件の質もB級クラスが中心で、1物件の規模も既存REIT銘柄に比べれば小振りになっていますから、資産運用体制も最初から厚くしなければなりません。
更に、資産運用会社の人員は既に不足していますから、新たに進出するところでは人材確保もままになりません。
このように、今からREITを立上げようと考えると、現実面での壁が高くなっています。
それでも、敢えてREITに挑戦するのは、オリジネーターとしての利益を求めてだと思いますが、REIT進出で大きな利益を得た森トラスト方式は東証の規制によって難しくなりましたので、今後はオリジネーターの利益追求の幅が小さくなります。
オリジネーターが人・物・金を拠出しなくてはならないのがREITの実態ですが、その見返りは短期的には大きくありません。
それでも、私募ファンドが出口戦略としてREIT進出を表明するのは、実際にREITに進出するかどうかよりは、自らのファンドへエクイティを呼び込む方策だとも思いますので、話半分と見るのが良いのかもしれません。
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