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ファンドバブルについて
  
ところが、現在の市場は、個別不動産の吟味が出来ておらず、銘柄のポートフォリオ全体での配当率だけを見ています。 このような見方では、全体の配当率を下げない範囲であれば、どういう不動産でも高値で取得することも可能です。
あまり競争力のない立地の築20年程度の大型オフィスビルであっても5%台のキャップレートで買うことも可能ですし、銀座辺りの築15年前後中規模ビルを同じようなキャップレートで買っても投資家から文句は出ません。
この状態に乗じて、銘柄の中には、高値取得を行なっているところもありますが、個々の物件を見ると止むを得ない場合と明らかに行き過ぎのケースがあります。
どれが問題なのかを説明するのはコラムでは無理ですが、一つの目安を提示すると、JREIT保有物件中で最も優良な物件と目される「大手町ファーストスクエア」(築約13年)のキャップレートが5%です。また、つい最近竣工したばかりの「虎ノ門琴平タワー」の想定キャップレートは4.93%となっています。
この数字を念頭に置いて、各銘柄の追加取得の物件を見てみれば、ある程度判断が出来るのではないかと思います。
REITの物件取得は、即、投資家リスクに繋がりますので、投資家もそろそろ個々の資産の質に着目する時期に来ていると言えますし、銘柄側も物件取得に際して投資家のリスクにどのような影響をもたらすのかを説明する必要があると思います。
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