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−J-REIT株価推移をどう見るか(その6)− | |
JRE/8952 株価とNAVの乖離率が26.36%、予想配当率4.33%で、長期国債とのリスク・スプレッドは約3.9%と、NBFと近似です。 投資家から見ると、現状のパフォーマンスは納得できると思いますし、何よりも、新規上場時の公募価格が525千円/口とNBFよりも100千円も低い価格で買えたという点が嬉しいと思います。 公募で購入した投資家にとっては、あまり無理せずに現状維持で頑張って欲しいというのが正直な感想だと思いますが、一時は、NBFを抜いてトップの株価を付けました。 この銘柄は、当初から法人投資家の比率が高いのが特徴でしたので、市場の値動きが大きくなる傾向にありますし、また、短期利鞘稼ぎの銘柄と見られている節もあります。 資産内容を見ると、それ程明確な特徴を持っている訳でもなく、急成長するような革新的なファンドでもないと思いますので、本来であればもう少し落ち着いてもよいのではと言えます。 資産規模は、NBFに次ぐ規模になっていますが、資産内容や運用体制に際立った特徴がありませんので、JREが名実ともにJREITの優良銘柄として確固たる地位を築くには、もうしばらく時間が必要だと言えますし、また、情報開示姿勢にも工夫が必要だと考えています。 更に、今後に上場してくる新規ファンドとの比較でJREが再評価される可能性もありますので、投資家は、市場の株価にあまり左右されずに、当面保守的な見方をする方がよいと思います。 JREが、2003年問題を克服して現状のパフォーマンスを維持してくれるならば、投資家が望む安定した長期保有銘柄としてのポジションで今後とも推移すると考えられますが、一方、より高い評価を得るには、投資家から見ても分かりやすいフラッグシップ物件を購入するようになった時だと考えています。 JRF/8953 株価とNAVの乖離率が30.47%、予想配当率4.77%で、長期国債とのリスク・スプレッドは約4.3%と、やや特徴のある状態にあります。 乖離率30.47%はJREIT中最大ですが、商業施設特化型というファンドという点を見ればやや疑問があります。 NAVを解散価値と考えれば、商業施設の売却はオフィスビル以上に難しさがありますから、本来であれば乖離率は少ない方が安全です。 事務所ビルと比較して商業施設テナントの代替性の低さも考慮すると、JRFこそオフィスビル2003年問題の影響がないということで、見方によっては短期的な取引銘柄だとも言えます。 他の銘柄が2003年問題を克服すると分かれば、相対的にJRFの強さが失われますので、商業施設のパフォーマンスの安定度に注目が集まると考えられますから、やや不利な面もあります。 但し、JRFは主要テナントとは長期賃貸借契約を締結していて、一般的な商業施設の弱点を一定度カバーしていますので、市場評価を大きく下げるとは思われませんが、株式投資のような見方をすれば、 今年前半から秋頃までは値動きが大きくなっても不思議ではありません。 このような見方は、ファンド側は必ずしも歓迎はしないと思いますが、商業施設特化型ファンドが持っている特徴を見れば仕方ない面もあります。 市場がファンドの特徴をどこまで理解しているかは分かりませんが、JRFがこの2月の増資の際に賃料変動要素の大きいグロース型資産を組み入れたことで、いずれはそのような動きになる可能性もあります。 |
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