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2004.10. 7.Up Dated.
グローバル・ワン不動産投資法人の増資について
  
10月1日にグローバル・ワン不動産投資法人(以下、GOR)が増資を発表し、同時に保有4物件の一つである近鉄大森ビルの売却も発表し、増資による投資口の希薄化を、物件売却益で埋める方式を取りました。
これは今年の7月にNBFが行なった増資と同じ手法ですが、GORは1物件の売却だけで約8億円の売却益を得て、来期(2004年3月期)の配当金を20,200円/口に上方修正しました。
近鉄大森ビルの売却は以前より考えていたようで、GORが標榜する資産の質の近・新・大の基準で見ると、「近」がやや劣るのと、「大」でも他の物件に比べるとやや小振りというのが理由だと考えられます。
GORは、物件売却を増資に合わせて行うことで、投資家に対する希薄化を防ぐとともに、借入金比率も大幅に下げることを目論んでいます。
本来であれば、増資と一緒に新規取得する物件も発表するのが常ですが、今回は、資産取得の発表がなく、表面上は借入金返済目的の増資になっています。
おそらく、GORは今回の増資により、金利先高感から借入金比率を一旦下げてから再度財務の組み直しも考えている節もあります。
デットの調達金利をもう少し下げたいという気持もあると思いますし、長期借入金比率を上げる事も含んでいると考えられます。
投資家から見ると、とりあえず来期の配当金は上昇しますが、再来期は12,400円/口と大きく下がりますから、年間で考えると、32,600円/口ですので、増資の公募価格が815,000円ならば、年4%の配当率になります。
但し、再来期の配当金だけを見れば、4%の配当率を確保するには、620,000円/口なりますが、現在のGORの株価から見てあり得ない数字です。
私は、JREITの将来を考えると、何とか80万円を切った価格が公募価格となると良いなと思っていますが、銘柄側がどう思っているか分かりません。
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