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J-REITと金利上昇
  
一方、JREITよりも私募ファンドの方はもう少し事態が深刻です。
ファンドの償還時期にもよりますが、来年以降は確実に金利が上昇していると見れば、リファイナンスによって配当率が減少しますし、現状のノンリコースローンの貸出競争による金利低下に歯止めがかかって、元の合理的な金利水準に戻れば、私募ファンドによっては逆レバレッジになってしまうかもしれません。
恐らく、私募ファンドの投資家もファンド側も薄々危険性は感じていると思いますが、出来るだけ考えないようにしているのが実態ではないかと思います。
こうなると、私募ファンドは償還の無いREITに向かわざるを得ませんが、私募ファンドがそのままJREITに衣替え出来る程甘くはありません。
特に、東証REITのハードルは高いですから、別の市場(ジャスダック等)での創設を当てにして私募ファンドの出口と考えているかも知れませんが、果たして投資家が付いてくるかどうかは疑問です。
こう考えるとJREITを取り巻く環境は段々と複雑化しそうですので、投資家にとっても組成側にとっても、今年は今まで以上に難しい判断が必要になるかもしれません。
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