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2004. 4.15.Up Dated.
J-REITと金利上昇
  
ここにきて景気回復の見込みで長期金利が上昇しています。反面、短期金利は日銀の金融政策によって低いままに張り付いていますので、JREITの借入金の金利選向が難しくなっています。
JREITは、利益の100%の配当性向を持っていますから、金利の上昇は、即、配当金を減じますので、簡単には短期から長期にシフト出来ません。
一方、市場評価は配当金重視になっていますから、将来の金利上昇リスクに備えて長期資金にシフトして配当金を減少させるという手法が取り難い面があります。
こうなると、資産運用会社は悩みますが、気がついた時に素早く手を打つというのがリスク管理の基本です。手をこまねいている内に、金利上昇が短期にまで及んでしまえばもう後の祭りです。
私の見るところでは、この半年間が分かれ目になりそうだと見ていますが、地方景気の状態を見れば、日銀も0金利政策の転換が難しいと読んで、先延ばしをするところもあると思いますが、それも時間の問題のような気がします。
投資家の方も、そろそろ配当金の多寡だけに目を向けずに、配当金を捻出している収益構造にも気を配る必要もあると思います。
そのためには、デットの調達金利や長短の区別、LTVもチェックポイントになりますが、もう少し進んで、保有物件の競争力にまで目が行くようになれば本物です。
特に、オフィスマーケットの現場は厳しさが増していますので、マクロデータだけで見て良いのは評論家だけです。
投資家は自分のリスクですから、もう少し細かな見方もする必要がありそうです。
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