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J-REITの銘柄評価
  
私の見るところでは、現在の市場は、そのような資産内容の吟味は後回しのようですし、その上、地価公示の発表を受けて、地価が反転するのではないかという思惑も出ています。
私は、元々、地価公示に信頼は置いていませんので、特にコメントはありませんが、気になるのは、地価の上昇による不動産の含み益という面が再びクローズアップされることです。
不動産証券化では、収益還元法を使って、不動産から生じる具体的収益(賃料等)を積算して資産価値を出していて、従来の土地の値上り益という予測も計算も出来ない価値算定を排除するところが大きな特徴でした。
JREITも、この考え方に基づいて資産を形成していますので、今さら地価の反転期待を取り込むようであれば、バブル期の不動産投資と何ら変わらないことになってしまいます。
皆さんの中にはご存知の方も居ると思いますが、バブル初期に不動産小口化商品というものが開発されましたが、この商品は、まさに配当利回りよりもキャピタルゲインだけを当てにした商品でした。
現在のJREITも、軒並み表面配当率が3%台になっていますが、NAVとの乖離率を補正し、リスクディスカウントを行ったネット利回りが2%台にまで落ちている銘柄もあります。
こうなると、いよいよかつての不動産小口化商品に近づいて来ますので、そのうちチキンレースになってしまいます。
私は、株価がどの水準が適正かなどと言うつもりはありませんが、少なくとも不動産投資として、しっかりとした視点で資産内容を吟味してから投資判断を起こすのが、過去の過ちを繰り返さないことだと思っています。
JREITは不動産を証券というベールに包んで分からなくするためのツールではありませんので、もう少し資産内容に焦点を当てて検討して欲しいと願っています。
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