トップ
2004. 2.12.Up Dated.
REITの資産価値 その2
  
JREIT投資を不動産投資としてみると、現在のJREITは不動産屋の域を出ていないと言えます。今までのように、既存物件を買い集めて、利回りが確保出来るというのは、長くても5年程度と考えるのが普通です。
現在のJREIT保有オフィスビルの平均築年数は、最も低いのがGORで約9年、UUR・OJR・NBF・PIC・JPRが13年前後、JRE・TRI・NOFが15年前後、MTRは20年超となっています。
この築年数では、これからのオフィスマーケットを考えれば、年数が経つに連れて賃料は弱含みになりますし、稼働率も低下します。
もし、本気で長期投資としてのJREITを組成しようとするならば、最初から収益用不動産を開発して新築から保有するのがベストなのですが、組成資産を積み上げるのに時間が掛かりすぎます。また、開発側も収益用不動産としての必要なスペックが整理されていないので、どのような建物を作れば良いのかが分りません。
そこで、手っ取り早く、既存物件の中から買える物件のみを対象にして選別しているのですから、今のJREITは、資金力のある不動産屋というのが実体なのです。
このことを内心理解している資産運用会社もあって、平均築年数を下げることを第一義に考えている銘柄もありますし、開発型への取組みを行っている銘柄もあります。
一方、投資家の方は、依然として、お金さえ出せば儲かるという資本力の無い低開発国の投資のように考えている節もあります。
本来、長期投資としてJREIT投資を行っている投資家は、現状の運用姿勢に対して積極的に注文を出すべきであって、目先の配当金は二の次なはずですが、大半の投資家がそのような見方をしていないことで、本質的な問題を先送りしている資産運用会社もいくつかあります。
既に、JREITも第2段階に入ったと思いますので、そろそろ長期の不動産投資とは何なのかという視点も論じる必要があるのです。
そこで一つの参考として、日本ビルファンド投資法人(NBF)が取り組んでいる開発型案件の例(詳細は「REIT DATA サイト」で解説しております)で考えてみます。
次へ >>