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REITの資産価値
  
仮に、JREITが不動産小口化商品のように有価証券に変換されず、所有権の共有持分の登記済証書(権利書)であれば、この様なことは起こりえなかったとも言えます。
実体は不動産投資であっても、有価証券に変換されていることで、有価証券投資の世界の理屈で動いているのが今の取引相場です。
有価証券側の理屈としては、長期国債の利回りとのスプレッド(乖離率)が上げられますが、元々、このスプレッドはリスクを基に算定されます。
JREITの投資リスクとは不動産リスクそのものですから、このスプレッドが縮小するのには、不動産のリスクが減少していなければなりません。
今日、不動産のリスクは決して軽減していませんから、スプレッドが縮小する局面ではありませんが、元々、高過ぎたスプレッドだったという見方も出来ます。
JREITが登場した当初は、スプレッドが5〜5.5%程度ありましたが、これは新商品故の上乗せがあったとも言えますから、2年半の実績を経た今日では、多少の縮小は当然ではあります。
では、スプレッドの許容値はどの位なのかというと、不動産リスクに変化がないとすれば、個人的には、大甘で、3〜3.5%、しかも、このスプレッドは非常に高い資産運用能力を発揮している銘柄に限ってだと思います。
資産運用能力の判定となると、既に、3期以上の実績を持っている、NBF(8951)、JRE(8952)、JRF(8953)、OJR(8954)、JPR(8955)の5銘柄が対象となりますが、この中でも、高い運用能力という項目で見れば、NBFとJRFぐらいしか考えられません。
また、当然ながら、新規上場の銘柄は論外ですから、昨年の秋からの上場組である、TRI(8957)、GOR(8958)、NOF(8959)、UUR(8960)のスプレッドは、ひいき筋と一般投資家では許容範囲が異なります。
このように考えると、最近のJREIT投資家は、相撲の世界で言う「タニマチ」、または歌手などの「追っかけ」に近い存在です。
さらに、これから上場する、森トラスト総合リート投資法人に至っては、熱狂的な宝塚ファンではないかとも言えます。
JREIT投資家のメインである地銀等の金融機関は、自分たちの行動が何なのかを、一度冷静になって考えてみる必要がありそうです。 おそらく、後になって振りかえって見れば、如何に滑稽であったかを知ることになると思います。

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