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2003.12.11. Up Dated. |
REITの株価について |
「日本リテールファンド投資法人」(以下、JRF)の先週末の終値が686,000円となり、前日の34,000円高と急上昇しました。 ちょうどこの日にJRFが「代官山DKビル」の取得を発表しましたが、JRFとしては小振りなインカム型資産ですので、これが上昇要因だとは考えられません。 わずか一日(数分かもしれません)で、純資産価値の7%ものプレミアムが付くのは異常とも言えますが、何らかの取引によって起こったと考えられます。 元々、REITの場合は、保有型の配当金狙いの投資が多くなることに加えて、最近では地銀等の金融機関の持株比率が大きくなったことで浮動株が少なくなっています。 このために、数口の取引で株価が大きく変わることもありますので日々の株価の動きを読んでも意味がないとも言えますが、それでも、今回のJRFの株価の動きは気になります。 「REIT DATA サイト」では、ファンド・オブ・ファンズの登場が一部の銘柄の株価を押し上げる要因になると解説していますが、今回もこれが理由ではないかと考えられます。 REITのファンド・オブ・ファンズを組成するためには、必要な出資口数を集めなくてはなりませんが、浮動株の少ないREITでは、この動きだけでも上昇要因になります。 特に、JRFはREITの中では唯一の商業施設REITなので、ポートフォリオ形成のためには不可欠の銘柄です。ファンド・オブ・ファンズを設定する投信会社が、どうしても欲しいということであれば、上限価格でも買い集めることになります。 これを市場取引として見れば、納得できる部分もありますが、仮に、ファンド・オブ・ファンズが買ったとしたら、この投資信託商品を買う人はどうなのでしょうか。 ファンド・オブ・ファンズを売るときに、こういう買い方をしましたという説明がありませんので購入者はブラインド状態です。 この辺りが、ファンド・オブ・ファンズの問題点(株式投資信託商品等も同じ)ですが、組成のプロセスと仕組みを考えれば何時でも起こり得ることなのかもしれません。 |
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