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2003. 3.20. Up Dated.
−賃貸マンション市場の現状−    

ワンルーム賃貸マンション

1戸当りの専有面積が20u以下が主流であり、入居者も若年層を中心としているため、テナントの流動性が高く賃料滞納リスクもある。 ワンルームマンションは本来の住宅機能を提供するには狭小過ぎるため、需要が仮住まい的になる等して、マンションとしての品質維持が難しく、築年数の経過と共に、採算が悪化しやすい商品である。
このクラスでは、分譲ワンルームマンションが個人投資家向けに販売されていて賃貸市場に供給されており、不動産投資としては比較的小口という理由で投資対象にもなっているが、過去を見れば投資商品としての優位性が長く維持された例が少ないので、市場としては安定性を欠いているとも言える。

日本人ファミリー向賃貸マンション

この分野は新規供給よりも住宅ストック(中古住宅)のリサイクルによって埋められている市場であり、不動産事業としての展開の余地が小さい。 月額賃料も20万円/戸以下となっていて、今後も設定賃料の自由度の大きい個人持家からの参入が多くなるので、市場としては不安定でもある。



これらの賃貸マンションの実態を見ると、今後の市場は小規模世帯及び単身者向賃貸マンションと日本人向又は外人ミドルクラス向高級賃貸マンションが活発化すると考えられますが、このクラスでは立地の選定と商品企画によって差が生じると言えます。
もともと日本のマンションの立地条件や建物仕様・設備は分譲マンションによってリードされてきており、この分野での経験とノウハウの蓄積のある大手企業の進出は既存業者にとっては大きな脅威となり得るのです。
すでに不動産業界の中小業者は大手企業の参入がないワンルームマンション市場にひしめき合っており、ますます厳しい状況に陥る可能性が高いとも言えるのです。

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