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 少ないREIT情報
  
REITの株主構造は、かつての株式のように、銀行の持ち合いによる高値形成と同じ現象のように見えますので、何かの原因で金融機関が投資を減少したり控えたりすれば、一挙に崩れます。以前、このコラムで、REITの現在の好調さは砂上楼閣だと言いましたが、まさにこのことを指しています。
金融機関が十分な情報に基いてREIT投資を行っているのであれば、問題はまた別の視点になりますが、実際は、一般投資家と同様の情報しか持っていません。多少なりとも一般投資家より有利だとすれば、付き合いのある証券会社より耳打ちがあるぐらいでしょうから、REITの仕組みと内容から見れば、それ程の利はなさそうです。
実際に大口投資家と話しても、特段の情報や鋭い分析が開陳されることはありませんし、逆に、いろいろな質問を受けたり今後の見通し等を聞かれます。
これらの投資家の質問で共通しているのは、銘柄の資産内容と運用体制の評価、そして今後の株価の見通しです。これらの情報は、REIT DATA サイトにも掲載していますが、こちらは全文を読まないと分からないので、直接話しを聞きたいということなのかもしれません。
一般投資家にしろ大口投資家にしろ、REIT情報が不足しているのは確かなようですが、大口投資家は、デッド格付やオリジネーターの信用力といった状況証拠に頼って投資判断をしているように窺えます。
金融機関が投資銀行化するのは必然の流れなのかもしれませんが、預金を原資としている以上、もう少し詳しい情報を基にして投資判断することが必要です。

このままでREITが拡大し、将来REITの株価が暴落し、金融機関に大きな損失が生じて結果として公的資金が投入されるようにでもなれば、大きな問題にもなります。
そうならないためには、REITの投資情報を増やし、それを広く伝えられるような仕組みが必要です。
この必要性については何度も触れていますが、投資法人側も積極的ではありませんし、大口投資家の動きも鈍いのです。上位銘柄も、本来はこの株主構造を見れば安心していられるとは思えませんが、上位銘柄ほど現状に安住している感があります。
このままでは何も変わりそうもないので、結局自分で動くしかないと思い、REIT TREND NEWS を作ることにしました。 ニュース配信形式での情報発信ですが、こちらは内容を噛み砕いてREITに関する情報を定期的に配信し、投資家の参考情報となればと思っています。できれば無料公開で広く伝えたいと思いましたが、かなりの手間が掛かるので、コスト程度の費用を頂いて、続けるつもりです。
内容的には、投資家にとって参考となる情報や、場合によっては有益な情報も含まれますので、一度購読されることをお勧め致します。詳しくはこちらをご覧下さい。
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