トップ
2003.10.16. Up Dated.
 利益相反について
  
REITでは利害関係人との利益相反ということが言われますが、主として、オリジネーターと投資法人間の取引について問題視されます。
なぜ、REITでは利益相反が話題に上るとかと言うと、REITを設立するにはオリジネーターと呼ばれる母体企業が必要となるからです。

REIT設立のしくみ


この図のように、オリジネーター企業が人と資金(資本金)を出して、まず資産運用会社を設立します。 次に、資産運用会社が中心になって、投資法人を設立し、最初の資本金はオリジネーター企業が出資します。 そして、投資法人設立後は、資産運用業務を資産運用会社に委託します。 オリジネーターとなった企業はビジネスとして投資法人を設立し、実質的に活動を行う資産運用会社に人材と資金(資本金)を提供するのですから、当然、設立後にメリットがなくてはなりません。

オリジネーターのメリット(1)
◇不動産企業の場合
・ PM業務の受託 ・ 投資法人の物件取得時のデュ−デリジェンス業務や不動産仲介業務の受託
◇金融機関の場合
・ 借入資金の融資 ・ 信託業務の受注 ・ 資産保管業務の受注 (証券会社の場合) ・ 上場時、増資時の引受業務の受注
◇ゼネコンの場合
・ 定期修繕やリニュアル工事の受注

これらの業務は直接的なメリットではありますが、それぞれの業務報酬等は標準化されていますので、優先的に受注できるという点ではメリットがありますが、報酬としては特に高額となるということがありませんから、このメリット(1)について実質的な利益相反(オリジネーターへの利益供与が優先され、投資法人へ投資している投資家の利益が減じられること)は少なくなります。
次へ >>