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2003. 2.20 Up Dated.
−プロパティ・マネジメント(PM)とは  その1−  

プロパティ・マネジメントの業務範囲

業務範囲について明確な定義はまだありませんが、JREITファンドの例で見ると、

  • テナント管理業務(既存テナントとの交渉等)
  • テナントリーシング業務(新規テナントとの交渉業務等)
  • 賃料収受業務
  • リニュアル工事等の企画提案業務
  • ビル・メンテナンス業務のチェック
などが一般的に挙げられますが、実際には受注するPM会社によって担当する範囲が異なり、ビル・メンテナンス会社がPM業務を行っている例もあります。
但し、どのPM会社でも共通していることは、オーナーサイド(証券化ではファンド)に立って業務を遂行することです。   
もう少し具体的に説明すると、今日PM業者に求められている機能としては、

  1. 建物管理費用の合理的コストダウン(ビル・メンテナンス費用の見直し等による)
  2. 稼働率の上昇ないしは空室率の改善(設定賃料の見直しや、賃貸斡旋業者の活用等による)
といった、資産のバリューアップに関する役割が強くなっています。



プロパティ・マネジメントの報酬は

JREITファンドのように長期運用を前提として資産管理を行う場合には、賃料収入の5%前後が報酬として支払われる例が多くなっています。
短期運用で転売を目的としたファンド等ではかなり低い率となり、PM業務では赤字という例もあります。

報酬とPM業務の実態
外資系ファンド等の場合、一定の期間(3年程度)だけ保有しその間に管理費を削減し稼働率を上昇させてバリューアップ(賃貸収支上のキャッシュフローの好転による資産価値の上昇)してから、転売によって売却益を得ることを目的としている例が多くなっています。
このようなケースでは、保有期間中の建物修繕工事等も必要最低限に抑えるなどしますので、必ずしも本来のPM業務とは言えない面もあります。  
その上、PM報酬も少ないですし、場合によっては転売による成功報酬が含まれたりもします。今年は私募ファンドの償還が多くなることもあって、アセット・マネジャーから売却先を探すよう要請されるなど、PM業務の範疇を超えた要求もあるようです。
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