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REITの公募に関する問題点
(東急リアル・エステート投資法人上場後の推移を見て)   
  
発行側への依存度が大き過ぎる
現状では、株価も配当も発行側次第になっていて、資産運用状況が良いのか悪いのか、優れているのか劣っているのかという情報はほとんど公表されません。
言うなれば、アンパイヤの居ない、プレイヤーだけの草野球のような状態とも言えます。
この状態は、誰が見ても不自然ですが、投資法人のオリジネーターを見て、「たぶん変なことはしないだろう」という評価でお茶を濁しているか、古典経済学の「見えざる手」という市場原理に全面的に依存している状態です。
本来、第3者による銘柄評価という情報が数多く発表されることが、投資家の適正な判断を促すことになるのですが、この問題も発行側の責任として論じられることが多いのです。

投資家の責任
多くの投資家は、REITが不動産投資だという原点を見ないで、配当金の多寡を論じ、株価の推移を見ています。
最近では、信用取引を使い空売りをして利益を出すという株式投資手法も多く使われ始めましたが、REIT投資の原点を見ないで、マネーゲームとして参加している投資家も目に付きます。もちろん、これらの投資家も投資家の一形態ではありますが、これが投資の全てではありません。
金融機関等の大口投資家・機関投資家は、預金者や契約者の資金を流用して投資しているのですから、投資に際しては、商品特性に応じた理解と情報収集が必要です。また、投資家として投資市場の整備に積極的に関与するという義務もあります。
一部の大口投資家は懇意な証券会社を通じて有利な情報を得て、投資利益を確保するというスタンスを持っているのではと思われる節もあります。
投資市場は、供給側だけの努力を求めるのではなく、投資家側も相応の負担と努力を行い、市場を育成し、投資利益を得るという仕組みが必要です。
現在のREITを見ていると、供給側に対する責任が重い割には、投資家側の努力が不足しているとも言えます。

今後もREITの新規上場や増資が続きますが、真剣に投資情報の整備や市場原理の構築を考える時期に来ています。
また、REITも8銘柄まで増えましたので、先発銘柄のどこかが中心になって市場整備に踏み出さなくては、いずれは、REIT側と投資家の利益を損なうことになりかねません。
日本の投資環境では、投資家に多くは期待できないのが実状ですので、まずは供給側から先に動く必要があると言えます。
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