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−日本プライムリアルティ投資法人の増資の結果とその後の動き−    
  
◇増資後の動きと課題
現在、各銘柄の投資ポリシ−を詳細に分析・比較しており、近々有料会員制サイトに掲載する予定ですが、JPRの今後の投資戦略と課題については、こちらの分析と投資法人側の見方との一致点も多く、投資家にとっては大変参考になると思います。
その一部をご紹介すると、
  • 2003年問題の影響は今秋以降更に強まるという予測があり、その影響緩和への具体的対応
  • 保有物件数とファンド規模の拡大に伴う体制整備の必要性
の2点が挙げられます。
JPRの収益構造を分析すると、パフォーマンスの下支えが必要であり、そのためには、高稼働率の物件と収益源を分散化できる物件の取得が求められています。
今回の増資で得た資金で、7/15には借入金の返済を開始しており、この時点で有利子負債比率が、増資前の54.9%から39.3%に低下しましたし、ファンド規模も拡大しましたので、かなりの投資余力が生じたことで、更に積極的な物件取得を進めると考えられます。
当面の物件取得は東京都内が中心になると考えられますが、今日の金融環境を見れば、取得資金調達でのREITの優位性は高く、後は取得物件の吟味力次第だと言えます。
次に、体制整備では何よりもPM体制の強化が求められており、上場時にオリジネーターサイドから引き継いだ体制の見直しが必要だと言えます。
この点についても、このサイトで販売している「JPRの中間評価書」に詳述していますが、一部の大口投資家からも同様の指摘があったようで、具体的にどのような体制整備を行っていくか注目したいところです。

◇他銘柄への影響
今回のJPRの増資成功により、増資を実施していないNBFとOJR、そして第一回決算を終えたPICの動向が気になります。
特に、上場一番手のNBFの増資が近づいていると考えられますが、2年前の上場時の公募価格 625千円/口の影響があるのではとも思います。
投資法人側は上場時公募価格を少しでも上回りたいと考えているでしょうから、現在の市場株価 640千円前後は微妙なところです。 この辺は、募集主幹事証券会社の選定にも関係するとは思いますが、力押しで公募を行うか、それともファンドの実状と実力を説明した上で増資を行うかということになると思います。
この他にも、今秋以降に新規上場を予定しているファンドもありますので、株式市場、債券市場の動きによらず、順調な増資を果たしたJPRの増資には勇気付けられたのではないかと思います。

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