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2003. 7.24. Up Dated.
−日本プライムリアルティ投資法人の増資の結果とその後の動き−    
  
7月3日付のコラムで、「日本プライムリアルティ投資法人の増資について」を掲載しましたので、その後の経過と増資経緯について独自の取材に基いて解説するとともに、増資後の投資法人側の動きについても触れてみたいと思います。

◇増資の内容
公募価格   :237,160円/口  
一般募集口数:134,400口  
調達価額   :30,758,650千円  
オーバーアロットメント
売出価格   :237,160円/口  
売出口数   :10,000口 (増資の反応) 

今回の増資は、株式市場の反騰や債券市場の乱高下という環境の中でのイベントでしたが、大きな影響はなかったようです。
公募にはおよそ3倍の申込みがあり、依然として高い人気を保っているようです。
公募価格については、7/3付のコラムで240千円/口前後と予想しましたが、実際は下限に近い237千円/口となりました。
大口投資家の公募価格に対する見方は、やはり240千円/口前後と同じだったようですが、 240千円台でも買いという意見も多かったと聞いております。
REITの大口投資家は、各銘柄が発表している株主名を見ると、地銀、信金、一般事業法人等が中心ですが、今回の増資でもこれらの投資家が主流となったようです。
しかしながら、地銀・信金の全てがREITに投資している訳ではなく、REITに関する情報の少なさや、仕組みとリスクの理解・判断の難しさから逡巡している投資家も多いようで、今回の増資も既にREITに投資している投資家の買い増し需要が中心のようでした。
そのために、公募価格についても、一時のREIT株価高騰の印象が強く、強気な判断をしたのではないかと思われますが、純資産価値に対するプレミアム率が20%程度に達する240千円台の公募価格というのは、REITとしては過熱だとも言えます。
この点で見ると、発行側が冷静な判断に基いて公募価格を決めた事は評価できると思います。

◇増資後の市場取引
増資払込日(7/14)以降の市場取引を見ると、240千円台での活発な売買が行われていますが、公募で取得した個人投資家の利益確定売りを、予定口数が購入できなかった大口投資家が吸収していると見られます。 このまま240千円台で株価が推移すれば、まさに今回の増資は成功であり、JPRは順風満帆だと言えますが、増資による宿題も課せられているとも考えられます。
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