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2005. 6. 9.Up Dated.
J-REIT成長の裏側
  
最近の状況を見ているとJREIT市場の過熱感は恒常的になっていて、東証REIT指数も今年の2月から4ヶ月連続で最高値を更新しています。
6月に入っても、JREIT株価は上昇基調にあり、5ヶ月連続で最高値を更新するのは確実な情勢です。
一方、JREITの活況は不動産業界全体を惹き付ける事になり、ファンドに不動産業者が群がるという状態になっています。
これらの不動産業者の思惑は、難しい理屈なくして、とにかく、「物(ブツ)を動かす」という事に尽きます。
不動産の世界では、物件売買を繰り返す事で価格を上昇させ、その間で転売益を抜き、更に、仲介手数料を得るというのがお決まりパターンです。
然しながら、東京都内の不動産価格は高騰していて、転売益を抜くのが難しい状勢になっていますから、目端の利いたファンドは手仕舞いに向けて売り側に回りつつあります。
このように私募ファンドとして成立し、私募ファンドとして終息する分には資本市場への影響は限定的ですが、しぶとい私募ファンドの中には、JREITという暫くは出口戦略の必要の無い所に向ってきています。
新聞等でも、多くの私募ファンドがJREITを目指しているという報道が目に付きますが、その目的は前述の転売益と仲介手数料の両方を得る為の、最後の一働きという感もあります。
JREITの世界も成長と伴に、不動産業者や擬似不動産業者が跳梁跋扈する様相を呈してきていますが、過去を見ると、このパターンはバブル期のピーク直前の動きと同じです。
JREITの既存銘柄の中には、現在の状況を憂いてる所もあり、この動きに巻き込まれないよう節度を保とうしている銘柄もありますが、総じて不動産業界出身の銘柄には問題意識が薄いのも確かです。
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