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2005. 5.13.Up Dated.
不動産鑑定評価について
  
JREITの物件取得の際には不動産鑑定評価を取る事が義務付けられていますが、鑑定評価手法や鑑定業者の選定、鑑定評価の発注方法についての規制はありません。
鑑定業者(不動産鑑定士の有資格者)に依頼して鑑定評価書を得れば良いだけで、見方によっては形式的な制度だとも言えます。
JREITが鑑定評価に要する費用をどの程度支出しているかは分かりませんが、取得時と決算時に行なわれる鑑定評価費用は全て投資家の負担になっています。
私募ファンドの物件取得でも鑑定評価は行なわれますが、こちらは形式的な手続きという風に割り切っていて、かなり低い鑑定評価費用で発注されています。
JREITの場合は、私募ファンドのような少ない費用で鑑定依頼をしているとは思いませんが、一方、相当な費用であれば、「何の為の支出」なのかを明確にする必要があります。
JREIT側から言わせれば、規制に則っての支出という答えになると思いますが、更に考えれば「何故、このような規制が必要なのか」という疑問が生じます。
JREITに関する規制は主に金融庁が所管していますが、鑑定評価業務自体は国土交通省の管轄になっていますから、行政の縄張り争いの産物ではないのかという見方も出来ます。
資本市場を監督する金融庁は、本来であれば、JREITが行う物件取得を資本市場に説明する手段として機能させたいと思っているかもしれませんが、実体としては、説明としての有効性に問題があります。
JREITの銘柄によっては保有物件の半数程度を鑑定評価額以上で取得していますし、中には鑑定評価額の20%増の取得価格すらあります。
このような例では、敢えて費用を払って鑑定評価を取る理由もなさそうですが、規制ですから鑑定評価は取っています。
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