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黄金週間の雑感
  
最近は、鑑定評価額以上の価格での取得も目立ちますが、これも続けると反感を増幅します。
鑑定価格には客観的合理性が乏しいというのは不動産業界の論理ですが、一般的には必ずしもそのようには思われてはいませんから、取得価格の合理性をどのように説明するかはJREITにとって重要な課題です。
JREITが参加する不動産の入札では、銘柄によって応札価格にかなりの乖離が生じていて、 強気な銘柄、慎重な銘柄が入り混っての入札になるようですが、同じJREITで大きな価格差が出るのには疑問も生じます。
資産運用会社によっては物件取得を外部成長だと説明するところもありますが、他の買い手より高値で取得することが、どうして投資家にとってのメリットになるのかという説明も必要です。
今のところ、競争入札では私募ファンドが高値で落札するケースが多いようですが、こちらは限られた小数の投資家しか居ませんから余り問題とされていません。
それでも広義の不動産証券化商品として見れば、JREITも私募ファンドも同じ仕組みですから、本来は可笑しな現象ですが、「ババ抜きゲーム」と言われている私募ファンドは止まらないと思いますので、少なくともJREITが入札で私募ファンドに勝つという事はこれからも避けて欲しいと思います。
私から見れば、既存物件は、しばらくは私募ファンドに任せてJREITは開発型に傾注するべきだと思います。
そして、何れは私募ファンドが保有物件を売却しますから、その時に損切りさせて取得するという戦略が良いのではと考えます。
JREITはこの先もずっと存続しなくてはならない仕組みですから、数年先を見据えたしたたかな戦略も欲しいと考えています。
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