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取得価格と鑑定価格
  
結論としてはケース・バイ・ケースでの判断になりますが、私の場合には、いくつかの基準で取得価格と鑑定価格の乖離をチェックしています。
  1. 優良な物件(好立地、築浅で競争力の高い物件)であるか否か
  2. ポートフォリオ全体から見て合理性があるか否か
  3. 投資家のリスクを無闇に増やしていないか
  4. 他の取得例(JREITの取得例)と比べて合理的範囲内にあるか否か
  5. 当事者間の事情に特別な思惑が絡んでいないか否か
というポイントで個々の取得を検証しています。
但し、これらのチェックポイント全てを把握出来ないケースもありますので、開示されない部分はマイナスとして見ます。
又、疑問に感じた例では資産運用会社に直接聞いてみることもあります。
以上が私の見方ですが、投資家の方が同じような観点でチェックするのは難しいとも思いますので、別の視点で見られることをお勧め致します。

長期投資スタンスを持っている投資家にとって最も重要な視点は、鑑定価格を上回った価格で取得する銘柄は、今後も同様の傾向が続くと考えることです。

不動産取引では一旦基準が緩むと、歯止めが利かなくなる例が多く、まして外部チェック機能が弱い場合にはブレーキがかかりません。
不動産バブル期には、皆このパターンで失敗をしました。
投資家の方が個々の不動産取引をチェックするのは困難ですので、難しく考えずに、例えば、 「一定期間内に2度そのような取引を行った銘柄にはその時点で投資を見直す」 という視点で見るのも一つの見識です。
最終リスクを負う投資家が、取得価格と鑑定価格の問題に常に疑いの眼を持って望むことが、銘柄側に対する有効なチェック機能となります。
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