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2005. 2.24.Up Dated.
J-REITの資産取得の動き
  
今年の上場第一号としてクレッシェンド投資法人が3月に東証への上場を予定していますが、この後にも、数多くの予備軍の新興銘柄が予想されています。
上場予定の多くは、レジデンシャル物件を含んだ銘柄になりそうですが、この背景には、不良資産整理に伴うオフィスビルの売却が一巡したことと、既存銘柄に強力にオフィス銘柄がいることが関係しています。
新興銘柄が、先行しているオフィス銘柄と伍して資産取得を進めることは困難ですし、数が少ない商業施設も取得競争が激化しているので、どうしてもレジデンシャルに手を出さなくては資産組成が難しいのが現実です。
クレッシェンド投資法人もこの方向の中での資産組成になっていて、比較的競合の小さい中規模オフィスビルとレジデンシャルで資産を積上げています。
JREITが取得したいオフィスビルでは、馴染みの銘柄が入札に参加するケースも多いようで、新宿にある某大規模ビルには、多くの既存銘柄が触手を伸ばしているようです。
また、中央区にあるかなり名前の通った大規模オフィスビルや、青山通り沿いの目立つオフィスビルを、既にJREIT系ファンドが取得したとの話も聞きます。
本社ビルを保有している企業には、JREITからの売却打診が頻繁に寄せられているらしく、このような状況下では新興銘柄はオフィスビルの取得ではまともに戦えません。
一方、レジデンシャルはオフィスビルや商業施設に比べると、物件数が圧倒的に多くなっていますから、新興銘柄にとっては取得可能性が高まりますが、問題となるのは物件選別眼です。
資産組成を急ぐあまり、質の劣る物件を高値で取得してしまうケースも今後は予想されますし、それらの資産で上場してくる可能性もあります。
更に、別の上場手法として、私募ファンドの出口としてJREITに進出するところも今年は出てきそうです。
2005年は10〜15銘柄程度の上場が予想されていますが、これらの中には投資家にとって油断のならない銘柄も含まれているかもしれません。
投資判断の難しいレジデンシャル物件が増えることと、出自が純粋私募ファンドということになりそうですので、従来の銘柄の延長線では投資判断が出来ない可能性もあります。
JREITも4年を経て、いよいよ本格的な拡大期に達したようですが、投資家から見ると各銘柄を一括りで考えることが出来ない状況になったとも言えます。
その意味でも、投資家にとって有用な情報の必要性が高まっているのだと思います。