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−日本プライムリアルティ投資法人/8955の増資について−    
  
◇個人投資家の視点では
今回の増資発表を投資家としてはどう見ればよいかが問題ですが、数口単位程度での購入であれば、あまり神経質にならなくてもよいのではと思います。
確かに、今回の増資により出資口の希薄化が生じ、第4期の予想配当率は、NBF・JRE並となり、年4%台前半の配当率となる可能性が高いですが、依然として投資商品性としての優位性はあります。
投資口価格も、当面は大幅に下げる要素もなさそうなので配当狙いの投資であれば堅実性は確保されると思います。

◇大口投資家の視点では
既に、JREITへ投資している法人・金融機関・機関投資家にとっては、JREIT銘柄への分散率と比重の軽重が問題となると思います。
JPRがどのような特徴を持っていて、現状及び今後の推移が把握できないと投資シェアの変動を起こすような増資引き受けを判断できないかも知れません。
もちろん、大口投資家には証券会社や資産運用会社の説明もあると思いますが、発行側の説明だけでは投資判断材料としては不十分とも言えます。
元々、第三者によるJREITの評価や不動産集合体としての資産運用状況に対するモニタリングデータが不足していますので、投資判断が難しい状態です。
そこで、本年4月に行ったJPRの資産運用会社(TRIM)へのヒアリングに基き作成したJPRの中間評価書を頒布致しますので、ご参考とされることをお勧め致します。
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今回の増資を読む
JPRは、上場後1年後に増資を発表しましたが、上場後一貫して好調安定した株価の推移が背景になっていることは確かだと思います。
そして、この増資をステップにして名実ともにJREITのトップ銘柄の位置を確保するという意欲が伺えます。
このために、従来のファンドポリシーを微調整しつつ、当面の市場状況に合わせた物件取得を行い、投資家の信任を得ようと考えていると感じます。
日本では歴史の浅いREITでの競争は、スタートダッシュが大事ですから、この意味でも今回の増資にはJPRの意気込みが感じられます。
また、これを機会に各銘柄の競争が始まる予感もしますので、ますます第三者によるモニタリングの必要性が高まります。 オリジネータのブランド評価という面もあるJREITが、実力勝負となることは投資家にとって歓迎すべきことでもありますし、銘柄選択の楽しさもあります。
大口投資家にとっても横並びの投資から、自己の投資ポリシーにあった銘柄の選択と分散比率の調整が必要となると思います。
このような投資家の需要を刺激する増資が続けば、市場も活性化しますし、投資家にとって必要な情報提供という市場インフラの整備も進むものと期待できます。