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2005. 1.20.Up Dated. |
J-REITの増資と株価 |
昨年の12月に日本レジデンシャル投資法人(NRIC)とユナイテッド・アーバン投資法人(UUR)の増資がありましたが、年が明けて、日本プライムリアルティ投資法人(JPR)と東京グロースリート投資法人(TGR)の増資発表がされました。 東証・大証合わせて15銘柄の決算月は毎月訪れますので、この調子だと年6ヶ月は増資があるようなスケジュールになるかもしれません。 昨年12月に増資したNRICとUURの株価はその後公募価格を下回っていますので、一部では増資に対する警戒感もあるようですが、元々、JREITはインカムゲイン目的の投資ですので、このような株価の動きの方が望ましいとも言えます。 仮に、増資後に株価が上昇するのであれば、短期利鞘狙いの投資家が増資に殺到してしまいますし、信用取引まで使って利鞘を得るように動きになってしまいます。 これでは、JREITの持っているミドルリスク・ミドルリターンという特徴がなくなり、株式と同じ商品になってしまいます。 JREITの増資は、成長の為の必要ステップであり、増資で得た資金でポートフォリオの改善を図りながら外部成長を行なう手段です。 特に重視したいのはポートフォリオの改善(保有資産の質の向上)ですので、これを見極めるのには時間を要します。 従って、増資後に一旦株価が下がり、その後徐々に戻すというのが本来の値動きではないかと思います。 また、投資法人側も増資によって市場に負担を掛けたのですから、その後の資産運用努力によって投資家の負託に応えるような姿勢を見せる必要があります。 ポートフォリオの改善には地道な努力も必要ですし、取得物件の吟味も重要です。 増資時には、目論見書も発行したり投資家説明会も行ないますが、増資完了後には特段の説明がありません。 本来であれば、増資の後にも投資家に向けて積極的なアナウンスが欲しいところですし、増資によって何がどのように変わったのか、どういう方向に向くことが可能なったのかを具体的な動きを含めて説明があっても良いと思います。 これからは、JREITでは増資が日常茶飯事になりますので、増資時にのみ精力を傾けるのではなく、増資後にも投資家に対するケアが必要ではないかと思います。 |