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−J-REIT株価推移をどう見るか?(その1)−    
 
J-REITの取引状況

◇東証が発表した2003年4月JREIT売買状況によると、
  • 個人の売り越しが約80億円
  • 銀行の買い越しが約66億円
  • 生損保の買い越しが約12億円
となっていて個人の利益確定売りを金融機関と生損保が吸収したという形になっています。

◇個人売り越しの理由
  • 株価が天井に近いと見て利益確定のために売却した
  • いずれ値下がりすると見込んで高値で売却して、値下がりを待って再び購入するため
◇金融機関の買い越しの理由
  • 配当率の高さと過去の配当実績から、中長期運用商品として購入している。(現状でも基準となる10年物長期国債金利との乖離率が3.5〜5%ある)
◇機関投資家(生損保)の買い越しの理由
  • 配当率の高さと配当の安定、そして株式に比べると株価の変動率の少なさを見越して長期運用商品として購入している
このような見方をすると、売り越した個人は株式投資と同じ感覚でJREITを見ており、買い越した金融機関と生損保はJREITの本来の商品性を見て購入しているとも考えられます。
もちろん、個人投資家全てがこのように考えている訳ではなく、未だ株式市場に残っているややマニアックな個人投資家が株式投資と併用してJREIT投資を行っていて、そのような個人を中心とし て売り越しているのではないかと考えられる。 JREITへ投資している個人投資家のプロフィールは明瞭ではありませんが、SPC-REIT.COMのサイト会員属性資料によると、
株式+JREITへ投資している個人は約70%
JREITのみへ投資している個人は約30%
というデータがあるので、上段の個人投資家の一部が売りに動いているとも考えられなくはあり ません。 JREITの株価低迷時に安値で購入した投資家には、70%台の値上率を確保できた人もいるはずで、株価変動率の少ないJREITでは、潮時という見方もやむを得ないのかもしれません。

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