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資産運用会社の人事異動
  
ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント(JRE)の行った組織改革は、他の資産運用会社も実施していますので、特に目新しさはありませんが、資産運用会社にとっては、メリットとデメリットがあって一概に善し悪しが言えません。
資産運用業務を取得と運用に分けるのは業務分担としては合理的ですが、取得後の運用を意識した取得が確実に行われるか否かが問題です。 これはデペロッパーでも何度も議論されている業務分担で、取得担当と計画担当の反目と調整が難しいのです。
日本ビルファンドマネジメント(NBF)の投資本部長の交代については、以前このコラムでも書きましたので省略しますが、新任の澤氏は前任の飯野氏とはやや違うキャラクターのように思えますので、その持ち味を生かした業務遂行を期待したいところです。
ジャパン・リート・アドバイザーズ(UUR)は、上場後、日が浅い時期にインベストメントチームの部長が交代しましたが、チーフ・インベストメント・オフィサーの宰田氏が責任者なので業務的には特段の変化がないのかもしれません。
グローバル・アライアンス・リアルティ(GOR)は後任が発表されていませんので現段階では特にコメントはありませんが、ここは山内社長のキャラクターが売り物でもありますから、大きな影響はないのかもしれません。
 最も大きな人事異動を発表したのは、プレミア・リート・アドバイザーズ(PIC)ですが、印象としては若返りと、実務者中心の布陣になったというのが率直な感想です。 新社長の安武氏はプレミア・リート・アドバイザーズの顔とも言える存在で、運用とIRの両方を兼務していた人材ですので、資産運用会社の社長としては適任だと思います。

 今回の人事は、オリジネーターの判断もあったのではと推測しますが、資産運用会社の実務を考えると敢えて交代の社長を送り込まなかったことに見識を感じます。
最近の資産運用会社の布陣を見ていると、新興銘柄は何処も実務派の社長を起用していて、銘柄間の競争を意識しているように見えますが、プレミアリートも若手登用により、JREIT間の競争にサバイバルをかけているとも言えます。
JREITが単にブランド評価だけでなく、その実力によって評価されるようになりつつありますので、資産運用会社の社長の実務能力は、今後ともますますウエイトが高くなると言えます。
投資家にとっても資産運用会社が多士済々になるのは歓迎すべきことですので、他銘柄も含めて今後もこのような流れになるのを期待したいと思います。
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