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2003.12.18. Up Dated.
 ユナイテッド・アーバン投資法人の上場
  
2003年最後のREIT新規銘柄として、ユナイテッド・アーバン投資法人(略称;UUI)が 12月22日に上場されます。
この投資法人は米国不動産ファンドのトリニティ・インベストメント・トラスト・LLCと丸紅が主体になって設立したファンドで、JREITとしては10番目の銘柄になります。
資産内容をみると、商業施設(ダイエー碑文谷店、新宿ワシントンホテル等4物件)、オフィスビル3棟、賃貸住宅5棟と異なる用途の不動産を組み合わせた総合型REITとなっています。既存銘柄の総合型REITとしてはOJRが該当しますが、UUIは、更に資産内容がバラエティに富んでいます。
総合型の場合、資産運用体制の構築が難しく、AM業務に負荷が掛かることと資産内容の質を一定レベルに保つのが難しいという点があります。
先発銘柄のOJRを見ると、総合型ではあるもののオフィスビルが主体となっていて、ホテルは横浜桜木町のワシントンホテル、賃貸住宅は3棟という構成になっています。
最近のOJRは、オフィスビルを積極的に取得していて、賃貸住宅についてはやや後退気味で、場合によって、今後の資産入替えの対象になるのではとも思われ、徐々に総合型から転換を図る意図も感じられます。
そのような中で、UUIが敢えて総合型として登場してきたことは注目に値します。
一方、資産内容をあまり斟酌しない市場評価では、このような総合型ファンドは不利になりますし、また、異なる用途の不動産をバランス良く評価する難しさ故に、証券アナリストから敬遠されることも考えられます。
公募価格は執筆時点では不明ですが、この銘柄の場合、公募価格よりも上場後の株価推移の方に興味が湧きます。
最近のREITの上場銘柄を見ていると、上場後の主幹事証券会社の努力が窺えますが、この努力も長続きはしませんので、その後にUUIを市場がどのように評価するのか注目したいと思います。
現在の株価水準は、NBFがトップでJRE・JRF・JPRを含めた4銘柄が上位グループを形成していて、OJRとPICが51万円台/口、TRI・GOR・NOFが52万円台/口と2極化していますが、UUIの株価が51万円台になるのか52万円台になるのかが分かれ目になります。
TRI・GOR・NOFの3銘柄は、上位グループに入るためには、まず、中2階のポジションとなる55万円台を目指していますが、51万台で決まってしまうと、当面は最下位グループからの脱却が目標となってしまいます。
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