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 REITの経済効果
  
当初は、不動産業や金融業にとってブレークスルー(突破口)になるのではという期待もありましたが、実際にスタ−トしてからは、内向きの事業としての展開に終始しました。低迷している業界が新しい出口を見つけて突破するのは簡単なことではありませんし、創意工夫も必要で、何かの仕組みを作れば自動的に機能するということはありません。
一方、現実を冷静に見れば、金融業界も不動産業界のトップもREITの仕組みや役割を理解しているのはごく少数で、依然としてボトムアップ型の判断しかできないようです。
最近は新規銘柄の上場が活発化していますが、その目論見書を読んだり保有物件を調査したりすると、本来の目的から遠ざかりつつあるという印象を受けます。この傾向は、更に続きそうで、名だたる大企業が参入してきているにもかかわらず、考えていることは矮小という感想です。
REITが本来の機能を発揮するには、投資法人や資産運用会社がもう少し高い視点で物を見ることが必要ですが、同時に、設立に関わるオリジネーターの人材のレベルも重要です。
現在のREIT株価を見て安易な方向に向かうのではなく、新しい価値を創造するという意気込みで参入しなければ将来の可能性が広がりません。
そのためには、既存物件をチョイスするだけでなく、収益用不動産の開発機運を盛り上げたり、社会基盤の整備事業への投資や街造りのための再開発を後押しする等の目標も必要です。
各銘柄の目論見書を読んでいると、このような目標は見当たらず、保守的なことばかり書き連ねています。
REITの設立には、多くの専門家が関わり、目論見書の作成にも弁護士や公認会計士も加わりますが、大の大人が寄り集まって、面白くもない小冊子を、多額の費用を掛けて作っているようにも見えます。
「仕事なんてそんなものだ」という声も聞こえてきそうですが、せっかくREITという新しい仕組みが与えられたのですから、もっと挑戦姿勢を全面に出す銘柄が登場しても良いのではと思います。投資家から見ても、変わりばえしない銘柄がこれ以上出てくるよりも、個性的な銘柄が欲しいと思います。今後は、東証だけでなく大証でもREITを扱うようですし、ジャスダックにも上場制度ができるようですので、東証REITの小型版になるのではなく、個性を競うような銘柄の登場を期待したいと思います。

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