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 住宅REITについて
  
このように書くと、「何だ、いろいろとうるさいことを言って、年4%台もの配当を実施すればそれで良いではないか」と声が関係者から聞こえてきそうです。
もちろん、既存REITは既に16回の決算を行い配当も実施していますから、実績はありますが、投資家は過去の業績に投資しているのではなく、将来の可能性に期待して投資しているのですから、過去と現在に言及するだけでは不充分です。
REITにとっての将来の可能性は、資産内容の質と資産運用能力の2点に収斂しますから、投資判断にはこの要素の検討が不可欠です。 もし、この2点に注力して長期安定型ファンドを組成すると、賃貸住宅REITが最有力候補になりますが、上記の理由により、大手デペロッパー系は積極的ではありません。 一方、独立系のファンドではREITを目指して賃貸住宅を集めているところもありますが、資産の質に拘れば、資産規模の拡大が遅くなるという矛盾に直面しています。
REITを個人投資家中心の投資商品にするには、住宅REITが不可欠ですが、現状では先が見えていません。 また、市場が資産内容の質を評価するようにならなければ、独立系ファンドが中心となる住宅REITは不利です。
REITが登場してようやく2年が経過した程度であり、市場整備や銘柄評価等に多くは望めないのが現状ですが、土台作りの段階にありながらも、ややもすれば、一部の投資家層を相手にしてパイを分け合う形に安住する傾向もあります。株価評価もあまり明確とは言えない根拠で序列ができつつあって、小さく固まりそうな気配も感じます。
その意味でも、新進気鋭の新たな銘柄がREITに登場してくる必要がありますが、なかでも、住宅REITの台頭が望まれます。
住宅REITでは、資産の質を考えればオフィスビルのように出来合いの物件をチョイスする方法では組成できませんので、新たにREIT用の住宅を開発する必要がありますが、知恵と汗が凝縮しなければ、そのような物件が作れません。
然しながら、投資家から見れば、新たに投資用として作られた不動産を対象にする方が安心感もありますし、将来の期待も膨らみます。
築15年も経たそこそこの立地のオフィスビルより、新たに開発されたREIT用賃貸住宅の方の優位性があることは明らかですので、投資家を含めた市場全体がこのような見方に変わっていくことが望まれます。
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