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2005. 7.28.Up Dated.
J-REIT情報の吟味
  
JREITの夏のイベントもジョイント・リート投資法人の上場と日本ビルファンド投資法人の増資で一段落しそうですが、8月末頃から、又、各銘柄より新たなイベントが発表されそうです。
更に、今秋にはいくつかの新規上場も控えているようで、JREITのイベントも、ますます活況を呈しそうです。
一方、投資家にとっては、これらのイベントの中から、投資情報として有用なものと投資対象銘柄の今後を左右しそうな情報のみをセレクトして吟味する必要がありますが、銘柄数の増加によって情報自体が増えた今日では、投資家の処理能力にも限度があります。
そこで、今回は、JREITが発表する情報の選別について触れたいと思います。

JREITが発表する情報は大別すると以下のようになっています。
(1) 物件取得・売却情報
(2) 借入金に関する情報
(3) 格付取得に関する情報
(4) 投資法人債発行に関する情報
(5) 決算発表
(6) 増資に関する情報
(7) 予想収益の見通し関する情報
(8) 投資法人及び資産運用会社の人事に関する情報
(9) その他の情報(地震被害等に関する情報)

これらの情報の中で、JREITのエクイティ(投資口)投資家にとっての重要度で考えると、
(1) 物件取得・売却情報
(2) 増資に関する情報
(3) 予想収益の見通し関する情報
(4) 決算発表
以上の4つの情報が特に注意を要しますが、(2)(3)(4)の情報は(1)の情報によって修正されたり、実施されたりするケースが大半ですので、最も重視したいのは(1)の物件取得情報です。

◇物件取得情報の読み方
JREITの収益構造を考えれば予想収益は、かなり保守的に見積もった固い数字というのが実態ですので、期中の新たな物件取得は、即、配当金に影響を与えますから、株価変動の要因になります。
次に、取得した資産によって保有資産全体の質に影響を与える事もありますので、どのような物件を取得するのかは必ずチェックする必要があります。
出来れば取得した物件を見るのが望ましいのですが、無理ならば、最低限、建物築年数はチェックして欲しいと思います。
特に、1985年以前に竣工した物件は、最近被害が話題になっているアスベストが建築部材として使用されているケースが多いので要注意です。
日本では、従来アスベストに対する関心は高くはありませんでしたが、今後は、米国のように土壌汚染と同一視するようになる可能性もあり、少なくとも、これ以上そのようなリスクのある物件を取得する事は投資家のリスクを増大させる事に繋がります。
又、取得価格にも注意が必要ですが、一般投資家にとっては取得価格の妥当性の判定が難しいので、簡単な比較方法をご紹介します。
チェックしたい物件と同じ用途の物件で、同様な地域(少なくとも区単位は同一である必要があります)に所在する、同様の規模(建物延床面積を大型・中型程度の区分で分けて探します)の物件を各銘柄の保有物件から抽出します。
そして、取得価格(又は期末価格)を建物専有面積(又は賃貸可能面積)で割って、単価を算出して比べます。
チェックしたい物件に対して比較する物件が3件以上あれば、大凡の判定が出来ると思いますし、仮に、比較する物件が見つからないような物件取得であれば、取得自体の妥当性を疑う必要もあります。
以上が比較的簡単な物件取得情報の読み方ですが、最初は面倒かも知れませんが、慣れると色々な事が読み取れますので、JREIT投資家は、是非、試みるようにして下さい。