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2005. 7.21.Up Dated.
J-REIT株価の不思議
  
JREITの株価がやや軟調になっていて、緩やかな調整局面のような感じもしないではないですが、各銘柄の値動きを見ると、本格的な調整局面は未だ先のように思えます。
トップ銘柄の日本ビルファンド投資法人の株価が100万円を切っていますが、一方、森トラスト総合リート投資保人は依然として100万台をキープしています。
又、福岡リート投資法人は公募価格の88万円前後の株価で推移していて、この2銘柄だけ、他の銘柄とは異なった動きになっています。
特に、森トラスト総合リート投資法人が、JREITのトップに位置するというのは、資産内容から見ても合理性が弱いですので、この株価の根拠が分かりません。
何処かに森トラストファンが居て、それらが投資しているのならば分りますが、森トラスト総合リート投資法人の大口投資家のデータを見ても、JREITの大口投資家である地銀の保有比率も低く、その他の大口投資家もオリジネーターの保有分を除けば、他銘柄よりもかなり低くなっています。
こうなると上位投資主に現れない投資家が積極的に買っているという事なのでしょうが、一体、どんな投資家なのか実体が分かりません。
又、福岡リート投資法人も他銘柄のような調整が行われていないようですので、何処かに買い支えてくれるファンが居るのだと思います。
銘柄にとって買い支えてくれるファンが居るのは有り難いことですが、何時まで続くかのという心配もあるのではないかとも思いますし、JREIT全体がはっきりとした調整局面に入った時に、全く調整を受けない銘柄というのも不自然です。
上場銘柄の株価が様々な事象に反応して動くというのも市場の一つの側面ですし、株価序列も最終的には銘柄の実力によって整序されるはずですので、今の株価は過渡的だとも言えますが、もしかしたらJREIT株価の不思議は温存されるかも知れません。
先発銘柄の日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本リテールファンド投資法人の3銘柄は同様な株価の動きを示していますし、その他の銘柄も株価はかなり動いています。
それに反して、森トラスト総合リート投資法人と福岡リート投資法人の株価の値動きはあまり激しくありません。
この2銘柄には、上場時に出資口の売出でオリジネーターが多大な利益を得たという共通点がありますが、上場後の株価の動きにも共通点があるようです。
これは単なる偶然かも知れませんが、出資口の売出でオリジネーターが多大な利益を得た銘柄は、何処かに熱烈なファンが居て買い支えてくれるという事なのでしょうか。
それとも、オリジネーターが短期利益を追求した銘柄は投資家から見ると質が良いという判断が成り立つのでしょうか。
いずれにしても、不思議と思える現象ですが、もうしばらく様子を見ないと分かりませんので、本格的な調整局面でこの2銘柄の動きがどうなるかは野次馬的な興味があるのも確かです。