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2005. 7.14.Up Dated.
J-REITにも変化の兆が・・・
  
7月13日はJREIT全銘柄が大きく値を下げ、東証REIT指数では前日比28.67ポイントの下げになりました。
銘柄別に見ると、森トラスト総合リート投資法人が4万円、日本ビルファンド投資法人が2万円下がり、その他銘柄でも1万円以上の下げが目立ちます。
多くの銘柄が1日でこれだけ下がるのはJREIT始まって以来ですので、日経新聞でも取り上げられていましたが、恐らくこの売買は海外法人の積極的な売りによって生じたものと考えられます。
JREIT市場では、個人、金融機関、投資信託、海外法人の4者の取引が大半を占めていて、個人が常態的に売り越し、金融機関と投資信託が買い越しになっていて、残った海外法人の動向が株価の行方を左右しています。
海外法人は一定のガイドラインを設けて、市場で買い、市場で売るという短期売買を繰り返していますので、プロスペクト・レジデンシャル投資法人とジャパン・シングルレジデンス投資法人の初値取引価格を見て、JREITの勢いに翳りを感じて、一旦、売りに転じたものと考えられます。
このように考えると、今回の株価の下げも一過性で、月末には元の高い水準に戻っている可能性が高く、今回の下げでJREITが調整局面に入ったとはとても言えません。
それよりは、新規上場銘柄が増える事で、JREITも一括りで見られなくなったという認識が市場に広まりつつある事が重要なポイントです。
元々は、JREIT6銘柄時代から銘柄毎に差があったのですが、20銘柄を超えた事でようやく市場も銘柄間の違いに着目するようになったという事かもしれません。
換言すれば、これからのJREIT投資には銘柄間の比較をして、その銘柄の実力に応じた価格で投資口を購入すると言う、至極当たり前の投資行動が求められるようになるという事だと思います。
又、株価の根拠というのももう少し考えなくてはならないと思います。
同じ不動産投資で株価が倍に近いというのは、不動産の世界では考えられません。
100万円の銘柄と50万円の銘柄が存在するのは、有価証券だけの世界ですし、せいぜい1年以内の期間しか保有しない海外投資家が、5年先、10年先を見て銘柄の格差を認識して取引しているとは到底思えません。
JREITをブーム的商品として見て、短期利鞘稼ぎに走っているのが実状だと思いますので、長期投資商品としてJREIT投資を行っている方は、このような目先の現象を見るのではなく、JREITがようやく選別の時代に入りつつあるという認識が重要です。
自分たちがどのような基準で投資しているのか、銘柄を選んだ根拠は何なのかと言った投資の原理・原則をこの辺りで、もう一度考える時期だと思います。