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2024. 4.26.Up Dated. |
REIT銘柄数の推移 |
REITは2001年9月10日に日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人の2銘柄が新しく創設された東証REIT市場への上場から始まりました。 最初はこの2銘柄で資産総額は両者合わせて3,194億円でしたから、時価総額は3,000億円以下という小規模なものでした。 REITが始まった翌日に米国の9.11テロが起こり、この大事件によってREITが始まったというニュースは殆ど注目されませんでした。 そしてREIT3番目の銘柄になった日本リテールファンド投資法人(現・日本都市ファンド投資法人)は翌年3月の上場となり上場時資産規模は409億円でしたから、REIT市場の時価総額は株式市場と比べると微々たるものでした。 更にはREITという仕組みについて殆ど知られておらず、どのような見方をすれば良いかも分からず、機関投資家でさえ暗中模索の状態でした。 従ってこの当時はREIT市場で取引する投資家も少数でしたので、証券会社が自己取引ポジションを利用して相場を作っていました。 2002年9月までには上場6銘柄となり、この6銘柄が最初のREITグループだと言えます。当時は世間の評価も芳しくはなく、このままではじり貧傾向になると思われましたが、 REIT誕生から2年後に東急リアル・エステート、グローバル・ワン不動産、野村不動産オフィスファンド、ユナイテッド・アーバンが加わり、以後毎年新規上場銘柄が増えていきました。 最盛期はファンドバブルによって42銘柄まで増えましたが、その後のリーマンショックによってREITも存続の危機に晒されました。 最終的には銘柄同士の合併によって存続を確保しましたが、8銘柄減少して34銘柄まで縮小しました。 こうしてREITにとって冬の時代が5年近く続きましたが、2012年4月にケネディクス・レジデンシャル投資法人が上場してから毎年新規上場が続き、2013年末には43銘柄と過去最高の上場銘柄数になりました。その後も順調に銘柄数が増加し、2019年末には64銘柄にもなりましたが、この時がピークで以後は合併によって銘柄数が減少していきました。 直近の上場銘柄数は58銘柄ですから、ピーク時から6銘柄減少していますが、この傾向は今後も続きそうで、合併等によって銘柄数が更に減少すると予想されます。 ではどの程度の銘柄数で落着するのかが気になりますが、私は当初からREITの上場銘柄は50銘柄前後と予想していましたので、何れはこの規模で落ち着くのでは考えていました。 以上は平時のシナリオですので、常識的な見方になっていると思いますが、平時ではないシナリオの可能性もあります。 それは株式市場を含めた投資市場が崩壊した時に起こると予想されます。 このようなケースでは、REITのような小規模市場は吹き飛んでしまうかもしれませんが、REITという仕組みの必要性から、一桁の銘柄数が残るのでは思っています。サバイバル出来る銘柄の予想は難しく、スポンサーやネームバリューなどは関係なく、健全な体質を維持している銘柄だけが残り、新たな時代へ繋ぐだろうと思いますが、それはどの銘柄なのかは予想が付きません。 最悪でもREITは数銘柄が残るだろうと予想されますから、それ程悲惨ではありませんが、そのような時代が一体どんな時代になっているのかは大変興味をそそります。 |
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