◇コラムトップ |
2023. 9.29.Up Dated. |
金融庁の検査 |
金融庁の立入検査はREITの資産運用会社にとって大きな脅威ですし、その検査の厳しさについても色々と聞いていましたが、今回の金融庁の立入検査が、今話題のビックモーターと損保ジャパンに入ったとの事です。 目的はビックモーターの保険金の不正請求を調べる事のようですが、損保ジャパンは既にこの問題に関して社長が引責辞任していますが、それでは幕引きにはならないようです。9/20から検査が入ったようですが、立入検査が何時まで続くのかは未定だそうです。 勿論本命は損保ジャパンが保険金の不正請求に何処まで関わっていたのかでしょうが、損保ジャパンはビックモーターに数十人の出向者を出していましたから、共謀の可能性もあります。 自動車保険の仕組みでは、仮に不正請求によって保険会社の利益が減っても、保険料を上げて一般の保険契約者から徴収すれば簡単に穴埋めできるので、保険会社は痛くも痒くもないようです。 今回の立入検査で、自動車保険の闇が何処まで暴かれるのかは分かりませんが、仮に損保ジャパンに共謀行為があったとしたら、免許取り消しという最も厳しい措置が採られることを期待したいと思います。 損保ジャパンはREITでは、ヘルスケア施設で度々登場する主体ですが、ヘルスケア施設は元々、REITの鬼っ子的存在ですから損保ジャパンに闇があったとしてもさもありなんという気持ちです。 かつてREITの資産運用会社から聞いたことがありますが、金融庁の検査は税務調査より厳しく、まして業界保護の立場にある国交省の検査などとは比べものにならないようですが、不動産企業にはこの認識がなく、逆に金融系出身者は緊張していました。 REITに対する検査も大変厳しい時期があったようで、資産運用会社の人からは悲鳴のような苦情を聞いたこともあります。 昨年7月にエスコンジャパン投資法人の資産運用会社に対する業務停止処分がありました。これは内容から見れば資産運用会社の登録抹消をすべきという事でしたが、結果は甘い処分に留まりました。 一罰百戒の意味も込めて、投資法人の存続を許さないような措置が妥当だったと思いますが、投資家保護との観点から業務停止処分になったのだと思いますが、今後のREITの為にはマイナスだったと思います。悪い事は悪いとして、厳しい対応をしないと、悪に染まっている連中は何度でも頭を持ち上げてきますから、きりがありません。 一方、今回のビックモーターと損保ジャパンに関しては単に保険金の不正請求事件の摘発という側面だけでなく、自動車業界全体を覆っている闇にまで迫れるかも注目です。 金融庁がそこまで迫れるとは思いませんが、自動車は税金の二重課税やガソリンの高騰と散々に利用者からむしり取っていますから、仕組みに潜む闇の一端にでも迫って欲しいものです。 今回の件で中古車業界全体に対する波及とユーザーの不信感を助長していますが、新車業界でもメーカーの正規販売代理店が、結果として新車価格相当の金額を詐取する事件が複数起きていますから、最終的には中古車新車を問わず闇に染まっている実態が少しでも晒されると良いと思います。 悪と闇は全ての業界に存在しているようですから、引いては社会システム全体に及んでいるものと考えられます。これらを全て暴くのは困難ですが、多くの人々か気づくことで不合理な闇が薄れていくのは確実ですから、それに期待したいと思います。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |