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2023. 3.17.Up Dated.
米金融機関の破綻

 米国の金融機関の破綻が続いています。シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行と短期間に3行が破綻しました。
更にこの後も米国の地方銀行の破綻が続くと予想されていますから、金融不安の終わりが見えない状況です。
米国政府も直ちに個人の預金は全額保証すると発表し、沈静化を図っていますが、これについて誤った解釈が横行しています。
預金の保護は、日本の預金保険機構制度と同じだと考えられますが、日本は上限1,000万円までですが、米国は無制限のようです。
圧倒的に数の少ない富裕層を配慮するのは欧米の特徴で、日本とはこの点が異なります。
米国も日本と同じように保護されるのは個人の預金だけで、企業や銀行間取引は保護の対象が外れますから、銀行の救済ではありません。
一部にシリコンバレー銀行は政府が救済に入ったと報道されていますが、これはフェイクニユースです。(なお、預金保護も銀行の救済にはならず、逆に銀行の将来の負債を増やすことになります)
現在米国では預金が保護されると政府が発表しても、地方銀行等から預金を引き出し、米国の4大銀行や6大銀行に預金を移す人が増えていて、中小銀行からメガバンクへの預金流出が加速しています。
何故預金保護があっても預金を動かすのかですが、預金保護制度では手続き面倒なので、簡単に下せる安全な銀行へ資金を移動させているのです。
一方、預金が流出している中小銀行は自己資本が大幅に減少し、バーゼル規制を充たさなくなり、金融業務が続行できませんから、破綻は時間の問題になっています。
このような金融不安状態では、預金保護だけでなく、中央銀行が金融緩和を行って資金の流動性を確保するのが対策になります。(リーマンショック時もFRBがドル紙幣を大量に印刷して大幅な金融緩和を行いました)
所が、米国は現在インフレ状態にある為に、安易に金融緩和に踏み切れませんから、伝家の宝刀が抜けません。(尤も中央銀行は既に機能停止しているという見方もあります)
こうなると金融不安は留まることなく加速してしまうリスクがあり、最終的には金融崩壊へと導かれてしまいます。
簡単に言うと米国はこのような状況で、金融崩壊リスクを止めるには金融緩和しか手立てなく、しかもそれが不可能な状態という詰んだ形だと言えます。
米国の金融不安は、先ず欧州に飛び火し、クレディスイス銀行の破綻が噂されていて、何れはドイツ銀行(ドイツの中央銀行ではありません)もとの情報が出るようになっています。
米国の金融不安は全世界に大きな影響を与えるのは確実なので、当然日本にも深刻な影響を与えていて、既に日本の株式市場では米国同様に地方銀行株が大きく下がり始めています。
これで地方銀行からの預金流出が起これば、破綻は避けられませんので、日本でも預金の大幅な移動が起こるのかが注目です。
米国では、メガバンクは大き過ぎて潰せないという見方をしている人が多い為に、メガバンクへ預金を移していますが、日本ではどうでしょう。
今まで多くの人が陰謀論者として退けてきた人たち(実際には陰謀論とした内容の事が起こっています)の見解では、日本のメガバンクも倒産又は整理されると予想していて、ある銀行は吸収合併されたり、消滅すると噂されています。
従って米国のように安易にメガバンクへ移しても対策にはならないし、元々日本は富裕層へは配慮が小さい文化ですので、簡単に救済される可能性は小さいのです。
このように今は未曽有の事が起こっているとも言えますが、これは序章に過ぎないともいう指摘があるのです。
本番は来週からだと言われてもいますから、この大激動に備える必要がありそうです。
量子論の世界では、あなたが見る現実はあなたの脳が作り出しているという説が有力になっていますから、この説に従えば、自分の立ち位置を変えるしかありません。
刷り込まれてしまった常識に囚われずに、柔軟な頭で時代に合った立ち位置に修正できるかが鍵になります。この意味でも覚悟が必要ですし、中途半端では時代の波に翻弄されるだけになってしまいそうです。


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