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2022.12.16.Up Dated. |
日銀終焉論 |
最近著名投資コンサルタントが日銀の財務内容悪化によって日本円が紙クズ化するという解説を出したことで、反響を呼んでいるようです。 この解説を簡単に言うと、米国債等の外国債券の価格が下落している中で、特に米国債を大量に保有している日銀は含み損によって何れは債務超過になり、信用低下に陥って日銀が発行している日本円が紙クズとなるという説明です。 日銀がどの時点で債務超過となるかは、米国の利上げ次第ですが、昨日FRBが0.5%の利上げを発表したことでより近づいたことになり、最終的にFRBは5.1%まで利上げするとしていますから、遅くとも来年半ばには日銀は債務超過となると考えることが出来ます。 勿論債務超過になって初めて信用力が無くなるのではなく、その可能性が生じた時点で信用力は一気に低下しますから、既に日銀の信用力は大きく低下していると考えることも出来ます。 債券についてある程度知識があれば分かりますが、債券市場での価格変動によって保有債券の帳簿上の価値は変動しますが、国債等は満期まで保有し償還を受ければ含み損は発生しませんから、日銀が保有外国債を満期まで保有するのであれば、含み損は実現化しません。 この視点で見れば空論のように思えますが、必ずしもそうとは言えないのです。直近の米国債の利回りをみると、10年債が3.61%/年ですが、1年以内の短期国債の利回りは1ヶ月物が3.86%/年、3ヶ月物4.38%/年、6ヶ月物4.78%/年と短期国債の方が利回りは高くなっています。 短期国債ですから、償還期限が1年以内になっているのに利回りが高いというのは理屈に合いませんが、これは償還リスクが反映されている為だとも考えられます。 国債は元々元本毀損リスクがゼロとされていますから、近々償還される国債に償還リスクがあるというのは、デフォルトリスクが織り込まれているという見方も出来ます。 新興国の国債ならば現実味がありますが、最強の米国債にデフォルトリスクがあるとは考えにくいものの、債券市場はそれを意識し始めているとも言えます。 更に国際決済銀行が世界の金融機関の簿外債務が約60兆ドル(約8,800兆円)になっていると発表しましたが、簿外債務とはデリバティブなどの金融派生商品が抱える額面上の債務ですので、上限債務と言えます。 実質的な債務を半分の30兆ドルとしても膨大な額ですが、仮にこれらの債務に対してFRBが新規にドルを発行して穴埋めすれば損失は軽減されます。 逆にもしFRBがドルの新規発行が出来ないとすれば、正に60兆ドルが紙クズ化する可能性もあります。 換言すると、FRBが破綻すれば世界の金融業界も同時に破綻するという事になります。 FRBは米国の中央銀行でドルの発行主体ですが、株式市場に上場している民間企業でもありますから、当然破綻リスクは抱えていることになります。 日銀の説明で述べたように、財務内容悪化によって信用力が大幅に低下すれば、ドルすらも紙クズ化する可能性はあるのです。 これ以上の専門的な説明は省きますが、日銀が破綻する構図というのはFRBにも適用されますから、結果そのような事態になれば、世界の中央銀行(大半は民間企業になっている)は破綻するという事になるのです。 ここからは少し飛躍しますが、既に日銀もFRBも実質的に機能停止状態にあるという見方が今年の始め頃から出回っていました。 その事実が公にされつつあるというという事だと捉えることも出来なくはありません。 一挙に崩壊すれば世界は大混乱になりますから、小出しに情報を出して人々の意識を慣れさせてから実現するという戦略も見えてきます。 今は何が起こってもあり得る話だと考える時代ですし、世界が新しく変わる時だと思えば悲観的になる必要もありません。 一旦既存のシステムが崩壊して新しいシステムに置き換える時であると考えれば容認できますし、新しい時代は今よりももっと素晴らしい時代になると思っていますから、期待してその時を待っていれば良いのだと思います。 |
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