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2022. 9.30.Up Dated.
不安定な相場

 今週初めの9/26から東証REIT指数が7/22以来の2,000ポイントを割り込みました。これは米NYダウの下落が影響していると考えられます。このまま行くと1,900ポイントも切る可能性もありましたが、NYダウが水曜日には500ドル超戻したことで、1,900ポイント切は回避するようです。
勿論金曜日の動向を見ないとなんとも言えませんが、相場が一気に下がっていく状態ではないのかも知れません。
今までの傾向は、週初めから相場調整が始まっても、週末には若干戻すことで事なきを得ていましたから、今回も同じ傾向とも思われますが、相場観としては調整方向ですから、来週も相場下落が起これば、いよいよ危険信号が灯りそうです。
それに加えて円安が止まりませんが、円だけでなく、英ポンド、中国人民元といった主要通貨も下がっていますから、アジア通貨危機の再燃も心配されています。
どうして主要通貨が下がっているのかが問題ですが、対ドルレートとの比較なので、ドル高とも言えなくはありませんが、米国の金利は上昇していて米国10年債利回りはは4.0%近くまで上昇し、年初に比べて2.4倍に上がっていますから、国債価値は半分以下になっています。
価値の下がった米国ドルに対して、更に他の主要通貨が軒並み下がっているのは由々しき事態だと見ることが出来ます。このまま事態が進行すれば、第1次世界大戦後の世界大恐慌の再来も心配しなくてはなりませんし、世界経済の崩壊も絵空事ではないのかも知れません。

一方、過去に起こったこれらの大変動は、常にシナリオがあって、誰かが大儲けする為の仕掛けだったとする説があります。
過去の事実では、古い話ですが、ナポレオン戦争で有名なワーテルローの戦いで、英国が負けるという噂を流して、英国債が暴落し底値で買ったロスチャイルドが英国勝利によって資産を2,500倍に増やしたという事があります。
この時からロスチャイルド家の金融支配が始まったとされていますが、このように大変動は誰かが仕掛けたものと言えるのです。
所が、今後に起こる大変動ではシナリオもなく仕掛け人もいない可能性があって、落ちる所まで落ちるしかないとも考えられますから、それこそ終末到来と言えなくはありません。
私の理解では旧世界は一旦崩壊して、新たに再構築を行うようになるのではと考えています。
従って、ある程度の混乱は避けられませんが、この事を理解している人もかなり居そうですので、終末ではないと言えます。
換言すれば、人によって見方が変わり、最悪の終末だと捉える人と、新たな再生への出発点だと期待する人も居ると思います。どちらが正解なのかは一概には言えませんが、どちらを期待するかによって眼前の世界が異なってくるのかも知れません。
勿論、両方とも起こらず、何も変わらないと考える人も居そうですが、冷静になって英国のポンド安と英国債の下落による欧州金融市場の混乱や、主要国の10年国債が軒並み4.0%/年になっている中で、日本だけが0.25%という異常な状態を考えれば、何も変わらないという希望的観測を出す人たちは既に終わっている可能性がありますので、ここは十分に思考を働かせるのが正常なのではないかと考えられます。


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