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2022. 8.26.Up Dated.
REITの実相把握が難しい

 21年に亙ってREITのデータ収集と分析を行っていますが、最近は違和感を覚えるデータ分析結果が多くなっています。
具体的な例としては、今年になってREITの保有不動産の売却が頻発していますが、これ程の売却件数が起こったことは、REITの21年間の中でも初めてです。
この背景は金融環境の変化によって資金調達が思うように行かなくなった為だと考えられますが、青天井で資金調達が出来ていた時代と比べれば大きな変化だと考えられます。
増資のペースもかなり落ちていて、特に既存銘柄の増資が抑制されている感があります。
売却が増えて増資が減少すれば外部成長が鈍化することになりますから、投資法人としては後ろ向きという事になってしまいます。
更に細かく見ると、ネットの収益力(利益)も落ちていて、分配金の伸びが鈍化又は減少している例も目立ちます。
上位投資主の寡占化と数的な減少も起こっていて、過去に比べるとREITの投資主の顔触れも変化していて、絶対数も減少しており、新たな投資主の登場も殆ど見られません。
このように個々に見ると、今年はREITの変化が大きいのですが、これらの事象を統一的に解説する程の十分な確証が得られていません。
REIT投資家も同様に変化は感じていると思いますが、この背景なり理由なりを明確に把握するのは難しく、戸惑いを感じている方が多いのではと思います。
私もデータ収集と分析を日々続けていますが、統一的に解説出来るレベルには至っていませんので、一旦REITとは離れた視点で解明を試みようともしています。
21年間に亙ってREITを分析してきましたが、今の状況はREITの視点だけでは理解できないと考えている為です。
このコラムでも、多くの人が陰謀論と思うような解説もしていますが、他に実相を捉える視点がないこともあります。
勿論無理々理由をこじつければ表面的な解説は可能ですが、そのような解説は得意ではないので、他の人に譲っています。
本当の所はどうなんだという思いでこのコラムを読んでいる方も居られると思いますが、私が感じている本当の事というのはかなり飛躍していて違和感も多いと思うので、詳しく解説するのは憚ってしまいます。
私自身は2000年に情報発信サイトを開設してから今日に至るまで、全く姿勢に変化はありませんし、データ収集と分析方法も、数が増えただけで手法自体は同じです。また改めて言う程ではありませんが、私自身は過去から今日まで投資という行為をしたこともありませんし、REIT市場との利害関係もありませんから、何の思惑も持たずにREITの解説をしているだけです。
私は権威が嫌いですから、皆様を誘導する気もなく、同意者を増やしたいとも考えていません。
私の意見や見方はそのまま捉えて頂いて、皆様で自由に評価して頂きたいと思っています。
益々不透明で理解が難しい世の中になってきたと感じていますが、少しでも皆様の参考になればと日々精進しています。


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