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2022. 8.19.Up Dated.
思いが現実を造る?

 最近、量子論を解説した動画をよく見るようになりましたが、これらの解説を聞くとかなり驚きの内容になっています。
量子力学の有名な実験で「二重スリット実験」というのがありますが、これは観測の有無によって、量子の振る舞いが粒の性質を持ったり波の性質になったりと変化するという事を実証したものです。
換言すると、量子は同時に二つの性質を持っていて、それが見る人によって性質が変わるという事になります。
量子は物質の最小基本単位ですから、全ての物質に同じことが言える事にもなります。
この量子論の考え方から敷衍すると、観測者によって得られる現実が異なると考えることも出来ます。
観測者とは自分であり、その自分の心の動き(思考ではなく感情だとも言える)が現実を造っているという説なのです。(逆に言えば、この世は仮想現実という事になります)
最先端科学でこのように言われると驚きますが、それなりに心当たりがない訳ではありません。

卑近な例になって恐縮ですが、札幌転勤中に地元のゴルフ番組に出たことがありますが、プロと勝負するという内容でアマチュア3人が一組になって、ハンディを貰い、5ホールを回り、3人の内のベストスコアとプロのスコアとの勝負という形でした。
3人の内、私が最も下手でほぼ初心者レベル、もう一人はハンディ15前後の方、そしてシングルクラスハンディの同僚の3人です。
テレビ収録前には3人で練習ラウンドを行いましたが、それぞれのスコアはハンディ通りでした。
そしていざ本番となり、プロが登場しカメラも回りましたので、練習ラウンドとは緊張感が違います。
シングル級の私の同僚も流石に緊張していましたので、私は彼にこう言いました。「向こうはゴルフのプロだけど私達も不動産のプロだから臆することはない」と、かなりの暴論かも知れませんが、気持ちでは負けないという意味でした。
結果はハンディ15の人は全く実力が出せずスコアは乱れてしまいましたが、最も下手な私がハンディホールでパーを取り、ネットバーディとなり+1ポイントを稼ぎました。
勿論奇麗なパーとは言えずティーショットはラフに打ち込みましたが、普段と違って3打目のリカバリーショットが大変上手くいって約1.5m程度のパットが残りました。
パッティングする反対側にカメラとアナウンサーが居てパットの模様を映していますから、誰でも緊張しますが、元々下手な私はさしたる緊張もなく、そのままカップインしてパーを採りました。
その後の私のスコアは散々でしたが、同僚が頑張ってくれてスコアイーブンにしてくれたことで、私のネットバーディによってアマチュア組の勝利となりました。
後で聞くとアマチュア組が勝つというのは大変珍しかったようですが、これは私と同僚の気持ちがゴルフプロに負けていなかった為ではないかと思っています。
最も下手な私が1ホールでもプロに勝つというのは稀有だと思いますが、これは気持ちが現実を造ったのではないかと言えなくはありません。

例えが長くなってしまいましたが、今は色々な情報が流れ込んできて、世の中の実態が一層分かり難くなっています。どの情報が本当なのか嘘なのかは定まらず判断に迷いますが、結局は自分の思いが現実を造るのではないとか考えられます。
どんな世界であって欲しいのか、どんな世界が好きなのかによって自分の目の前の現実が変わるという考え方です。
私の現実とあなたの現実は違うのかも知れませんが、それは解釈の相違なのかも知れません。
量子論では宇宙を含めた全てが情報で構成されているという考え方もありますから、その情報をどう解釈するかによって現実が違って見えるという事になるのではないかと考えられます。
何が真実なのかという問いはありますが、凡夫の私達に真実が分かるはずもなく、私達の見る現実が私自身を表しているとも言えます。
こう考えると情報に惑わされずに、自分を見よと言われているのではないかと思います。


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