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2022. 7.29.Up Dated.
米国利上げの意味

 米国が7/25に金利を0.75%引き上げると発表しましたが、この意味を考える必要があります。
利上げは米国が能動的に動いたためという見方が多いようですが、私は異なった見方をしています。
米国10年債利回りをみると、今年1月の月間平均利回りは1.763%/年でしたが、同じく7月の平均利回りは2.929%/年です。この7ヶ月間で1.66倍に上昇しましたから、即ち米国債価値が約半分以下になったことを示しています。
何故短期間に米国債の価値がこれだけ下がったのかを考えると、それだけ売りが増えた事になります。
誰が売っているのかは想像が付きますが、それは世界中の金融機関や投資家です。
売りが優勢になって米国債価値が下がっているのですが、それはドルの信認度に繋がりますので、多くの金融機関や投資家がドルの先行きの価値に不安を感じている為だと考えるのが自然です。
米国や欧州はインフレが強まっていて、ガソリン価格も大きく上昇し食料品等の値上がりもありますが、これを教科書通り景気過熱による需要過多でインフレになっていると見るのは早計です。
ドルの価値下落によって国内生産財以外は値上がりしていると見るのが妥当です。
英国ではガソリン価格や電気・ガス代までが大きく上昇して国民生活が圧迫されていますが、これらは輸入に頼っている為だと考えられます。
EU内で生産されているオリーブ油などの値上がりは小さいようですから、これらの価格の動きは前述の解説を裏付けているとも言えます。
日本も同じで、国内調達の食料品価格は大きく上昇していませんが、大半を輸入材に頼っている木材価格は2倍以上に上昇していて、既に住宅建築に影響が出ています。
では、円の価値はどうなっているのかをみると、円はドルに対して円安傾向が続いていますから、価値の下落しているドルよりも更に下がっていることになります。
従って、国際的には円も売られていると考えられますが、ロシアの証券取引所が8/8から円取引を中止すると発表していますから、もう円の価値が取引に値しない水準まで下がったのかも知れません。
日本と欧米のこのような現象をどのように考えるかによって深刻度が異なりますが、私は最悪に向かっていると思っています。
然しながら、現状は最悪ではあるものの大きく変わる変革期に付きものの現象だと見ていますので、慌てる必要もありません。
世界は欧米が先導していた時代から変わるようですし、新たな世界秩序に向かう助走期間のように見えます。
一説では世界の通貨価値は均等化して、国別の貧富の格差が消滅すると言われていますので、結構な事ですし大歓迎だと言えます。
多くの国民が貧困にあえいでいたアジア・インド・中南米・アフリカ諸国が豊かになるのは喜ばしい事ですし、長年に亙ってこれらの国を搾取して富んでいた欧米が衰えるのは寧ろ普通なのです。
日本はアジアの一員でありながら、欧米諸国のような扱いによってピンボケ国家になっていますが、良心的に考えればこのような流れは好意的に見られます。
韓国の新興宗教である統一教会とズブズブの関係にある日本(?)の国会議員は、当然このような考えは持たないでしょうし、何としても阻止したいでしょうが、多くの国民が彼らを無視する事と国外退去を求めるようになれば、日本も本来の姿に戻るのではないかと期待しています。


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