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2022. 6.17.Up Dated.
米国の利上げ

 6/15に米国で0.75%の利上げが発表され、これを受けてNYダウが大幅安となり、連動して日経平均株価も2.6万円台に下がり、東証REITも6/15には1,880.93ポイントと前日比で約57ポイント下がりました。
元々東証REIT指数は4月以降は米国10年債利回りと連動するようになっていましたから、米国の利上げに反応したと言えます。 米国10年債利回りの5月の平均利回りは2.9%でしたから、0.75%の利上げで3.6%台まで上昇していて、この水準は2011年以来11年ぶりになっています。
利上げの理由は米国内でインフレが進んでいるという説明にはなっていますが、インフレは物不足によって引き起こされているので、決して景気が過熱している訳ではありません。
このような状態で利上げは逆効果になりそうですが、金融政策自体迷走しているようなので、別の視点での考察が必要です。

次にREITの状況はと言うと、6/16には取り敢えず1,900ポイントまで戻していますから、日経平均株価に比べれば調整幅は小さくなるようです。
米国の利上げなので、流石にREITも無視は出来ませんから、1,880ポイント程度まで調整して直ぐに1,900ポイント台まで戻るというのはここ最近のパターンです。
この状況では2,000ポイント台戻るには一定の期間が必要でしょうから、暫くは1,900ポイント台でお茶を濁すことになりそうです。
最近のREIT相場動向は開き直っている感があり、最早辻褄合わせもいい加減になっているようですから、どんな相場水準も作れるようです。

以前にも指摘しましたが、米国だけでなく欧州も物不足でインフレになっていますし、ドイツのエネルギーはロシアの供給65%削減によって立ちいかなくなりそうです。一体世界はどうなっているでしょうか?
米国では35州が新共和国に加盟するとの風聞もありますから、今回の利上げは加盟しない7州に適用されるとも考えられなくはありません。
翻って日本をみると、円は130円台/ドルまで低下していますが、特に金融対策は施されていませんが、国内のインフレ傾向が顕著ではないことも関係しているとも言えます。
何れは欧米のように食料やエネルギー不足もあるのかも知れませんが、今のところは平穏ですので、比較的恵まれているのかも知れません。
尤もこのような事を書いても思考停止している人にとっては意味がありませんが、何となくおかしいと感じている人にとっては思考を深める機会になります。
今の状態は個々の事象だけを捉えても実態は分からないとも言えますが、冷静に考えると、コロナ前とは大きく違っているのは確かでしょう。
この違いが今後何を生じるのか、どういう方向に向かうのかが気になる人もいると思いますが、既に歯車が回っていますので大きな変化は避けられそうもなさそうです。


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