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2022. 3.25.Up Dated.
相場操作事件について

 SMBC日興証券の相場操作事件が広がりを見せています。
担当部長と本部長が逮捕され、更に副社長の逮捕まで行きましたので、会社ぐるみという見方が濃厚です。
正直な感想としては「まあ、そうだろな」と思います。 証券会社が相場操作を行っているのは公然の秘密だと思っていましたから、いよいよそれが許されなくなったという事でしょう。
証券会社側は、まさか追及が及ぶとは考えていなかったのだと思います。
私の邪推ですが、証券会社の相場操縦によって利益を得た者も多かったと思いますし、それは社会の上層部に及んでいると考えられます。
一般投資家に恩恵を与えても証券会社には何のメリットもありませんから、自分達の保護も当てにして、上層部の人間に利益供与していたのではないかと思います。
従来であれば、大手証券会社の経営陣まで追及が及ぶことはなく、せいぜいとかげのしっぽ切りで幕引きとなるはずだったのでしょう。
今回は過去とは違って経営陣にまで及びましたから、金融庁も本格処分を考えざるを得ない状況だと思います。
果たして金融庁がどんな処分を出すのかも注目ですが、従来であれば適当にお茶を濁すような処分になるはずです。
本気で処分するならば、免許取り消しか長期間の停止になるのでは思いますし、更に他の証券会社にも追及が及ぶと思います。
尤もこの事件を受けて他の証券会社もそれなりの手を打っていると思いますし、暫くはおとなしくしていようと考えていると思います。
私は相場操縦は証券業界や取引所にまで及んでいると考えていましたから、本格的な捜査が続けば投資市場全体を大きく揺るがします。
何れ相場は大きく調整されると考えていましたので、これを契機に相場下落が起こるかもしれませんが、仮にそのようになってもシナリオの一部に過ぎません。
今は木を見ても何も分からない状態で、森を見なくては見当もつかない状況です。
今回の件が何処まで進展するかは別にして、森を見るという姿勢になれば少しずつ繋がってくるとも言えます。
人は過去が永遠に続くと考えがちですが、そんなことはあり得ません。転換時期は必ず訪れるのですが、それは他者が起こすのではなく、自分が気づくことで起こるのです。
今回の件を勧善懲悪劇として見るのではなく、自分自身の転換の機会だと捉えるのが良いのではないかと思います。


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