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2022. 3.11.Up Dated.
相場操作の影響

 今週に日経平均株価が2.4万円台にまで下がりましたが、この水準は2020年11月以来です。
新型コロナウィルス騒ぎが始まったのが2020年3月で、この時は一時的に1.6万円台まで下がりましたが、恐らくこれからは当時のような相場の動きにはならないだろうと思います。
ここ最近の日経平均株価の動きにはSMBC日興証券の幹部が株価操作の疑いで逮捕されたことも影響しているかもしれません。
相場操作で大手証券会社の幹部が逮捕されるのは異例のようですが、普通に考えればこのような事は何処の証券会社でもしている事で、今更罪に問われるのかという意識なのかも知れません。
今回のSMBC日興証券の幹部逮捕がこれで終わるのか、更に上層部や他の証券会社に波及するかは分かりませんが、証券会社に自浄作用は期待できませんから、仮に幹部4人の逮捕で終われば、ほとぼりが冷めれば再発するのが当たり前だと思います。
私は、相場操作は証券会社のお家芸で、昔からしているのではないかと考えています。
勿論株式市場だけでなく、REIT市場も同様だと言えると思います。
見方を変えると、証券会社の相場操作がなければ、REIT相場そのものが成立しない時期もあったと思います。
では、今後はどうなるのかが気になりますが、証券会社は暫く謹慎状態だと思いますので、目立つ動きはしないと思いますが、相場の推移は今までと変わらない可能性もあります。
大手証券会社の幹部の相場操作は氷山の一角で、もっと広い範囲で常態的に行われていたと考えることも出来ます。
仮に、広い範囲にまで捜査が及べば、株式市場もREIT市場も相場が大きく変わるだろうと思いますが、捜査が中途半端で終われば相場推移に大きな変化はないと思います。
元々相場操作なんかが気が付かれることはなく、公に問題視されることはなかったのだと思います。

話は変わりますが、昨年末東京都が都市計画道路拡幅の買収案件でREITTの保有物件の一部を買収したことがありました。この時の東京都の買収価格は鑑定評価額を26%も上回っていました。
これについて東京都に問い合わせした所、個別案件の買収価格が外部に漏れたことはなく、買収価格の合理性について指摘を受けたこともないので、合理的な説明は不可能という返事でした。
換言すれば、このような事は以前から一般的であって、価格合理性について考えたこともないという事です。
これと同じように、相場操作も一般が認識していないだけで、以前から常態化しているという事なのだと思います。 一般的には知られていないが、内部ではほぼ常識化しているという例は数多ありますので、物事を知ろうとする側の洞察力に掛かっていると思います。
今回の証券会社幹部の逮捕は、それを伝えているのではないかと思います。


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