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2020. 6.26.Up Dated.
好調な株式市場

 株式市場が好調です。 日経平均株価は6月に入ってから2.2万円台をキープしていて、NYダウも2.5万ドル台ですし、世界の株価を見ても好調です。
今後の実体経済の落ち込みは確実なのに、株式市場には反映されていない感があり、一時懸念されていた世界恐慌はどこ吹く風という状態です。
この背景には何があるのかを考えると、
1. 投資マネーの退避先がない
原油価格も低迷していますし、世界の経済活動の停滞によって上昇余地が見込まれませんし、コロナウィルス禍は世界に蔓延していますから、何処に資金を持っていても安心はできない。
2. 米国債の含み益が大きい
米国10年債利回りは、コロナショック前(1~2月)では1.64%でしたが、今は0.7%前後になっていて、含み益は2倍以上になっていますから、投資利益は十分確保されている。
3. コロナショックは有期の問題
終息時期は分かりませんが、何れにしても一定期間内で収束することは確実ですから一過性の問題と捉えても良い。

これらの理由によって、投資マネーを大きく動かす状態にはないと言えるのと、保守的な投資家にとっても、取り敢えずドルを保有していれば間違いない状況なので、投資態様としてはシンプルです。
一方、アフターコロナは以前とは様変わりする可能性もありますが、これは今のところ誰にも見通せませんので、現状固定が優先されます。
但し、各国の投資市場を見ると、日米の株式市場に過熱感があるとのことですが、コロナショック後は国際通貨としてドルの地位が高まるのはほぼ確実です。
そして日本は先進国の中でコロナショックの影響が最も小さいですから、比較優位にあると見ることが出来ます。
このように考えると何となく辻褄は合いますが、一方で世界経済の落ち込みはかなり大きいという予想が出ていますから、どの国の影響が小さいのか、そして早期に回復するのは何処かという予想が今後のポイントになると考えられます。
これは未だ分かりませんが、世界第2位の経済規模を持つ中国の凋落は十分に予想されていますから、その反動で第1位の米国と第3位の日本が伸びるという見方も出来なくはありません。
以上は私の見方に過ぎませんが、突き詰めると今後の世界はどのように変わるのかという事だと思います。


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