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2020. 5. 8.Up Dated.
アフターコロナの予測

 コロナウィルス禍によって3月19日に東証REIT指数が1,145.53ポイントまで急落しましたが、個人投資家等の買いが入ってすぐに1,500ポイント台まで回復しました。その後はもう少し上昇するかと思っていましたが、1,550ポイント前後で膠着状態になっていますから、依然として買い場にはなっています。
個別銘柄の投資口価格と予想分配金利回りをチェックしていると、6.0%/年以上の利回りになっている銘柄も散見されますから、利回り的な魅力は十分だと言えます。
それでも、相場が膠着状態にあるのは、REITだけの問題ではなく、マクロ経済の行方、そして世界経済の今後が不透明だからと言えます。
コロナウィルス禍は何れ終息しますが、その後には世界はどういう状態になっているのかが見通せない為だとも言えます。
アフターコロナを予測するには世界全体の動向を把握した上で、どのような国際関係になり、人・物の移動はどうなるかを考えなくてはなりませんから、一筋縄ではいきません。

そこで、別の例を取り出して考えてみます。
パソコンを使っている人は多いと思いますが、たまに正確に起動しない時があると思います。
私はCPUがオーバークロック(動作周波数を上げて性能を向上させること) していると、何かの拍子でブルースクリーンになって強制再起動になったりします。
昔のPCであれば、この状態になると厄介でしたが、今は、BIOS(マザーボートにインストールされている起動ソフト)が自動診断して、オーバークロックによって変えられた値をリセットして、デフォルト状態で再起動してくれます。
一つの考え方として、コロナ前は世界がオーバークロック状態にあったと考えると、再起動はデフォルト状態に戻さないとならないと言えます。
では、オーバークロック状態とは何を指すかですが、抽象的に言えば行き過ぎたグローバリズムではないかと思います。
従って、再起動にはグローバリズムによって変えられた値を正常値(国家単位の状態)に戻すことが必要になります。
こうなると、EUのような地域共同体は揺り戻しが来ますし、グローバリズムによって生産・経済活動の拠点を分散化したものが、国家の枠組みに戻るとも言えます。
仮にこのような見方に合理性があったとしても、その後の世界は、日本はどうなるのかが大きな問題です。
これを考えるのが今後の課題で、この辺りの見通しが付いたところで、次回のセミナーテキストの作成に入れるだろうと思っています。


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