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2020. 3.19.Up Dated.
REITの相場動向(その3)

 3月19日のREIT市場では東証REIT指数が1,145.53ポイントと驚くべき急落になりました。
この水準まで下がったという事は、短期筋のプログラム取引の売りだけでなく、長期保有している投資家まで同調売りに走ったと考えられます。
トップ銘柄の日本ビルファンド投資法人の投資口価格も555,000円まで下がり、予想分配金利回りは3.86%/年まで上昇しました。
こうなると正に買い場になったと言えます。何故ならば、REITの中でも分配金への影響が小さい、賃貸住宅セクター、物流倉庫セクター、オフィスビルセクターの代表銘柄さえも4.0%を超える利回りになりましたから、この水準であれば、かつては利回りが低くて手を出しにくかった優良銘柄までが拾える状態です。
このような局面で、思い切って優良銘柄を買えるか否かがREIT投資家の資質を表します。
分配金が大して減らないのに、将来の漠然とした不安で売ってしまうのは、REIT投資の本道から外れますが、一方、ここで拾えなければREIT投資を続けてきた意味もなくなります。
投資家は何が怖いのかを考えると、恐らく世界恐慌のリスクを感じているのだと思いますが、日本が呼びかけたG7会議でも金融緩和と大幅減税によってウィルスショックに対抗しようとしていますから、世界恐慌にまで結びつけるのは漫画心理だとも言えなくはありません。
現在はウィルスの封じ込めが優先されていますが、この問題は何れ終息しますから、その後の経済状態の落ち込みをどの程度に見込むかによります。
日本経済だけで見ればGDPの落ち込みは年▲5%前後ではないかという予測が多くなっています。
消費税増税とウィルスのダブルパンチで、万一▲10%近くまで落ち込んだとしても、REITの分配金が0円になる可能性はありませんし、内部留保などの活用によって多少の減少幅で収まる銘柄も多いです。
勿論全銘柄が余裕で凌げる状態ではありませんが、リーマンショックを乗り越えてきた既存銘柄であれば、当時に比べれば余裕がある状態です。
多くの銘柄では、このような時期に積極的に情報発信をしたいと考えていると思いますが、不確定要素がある状況ではWEBサイト等での発信は憚れる状態です。
こういう状況の中で、私は積極的に情報収集をしていて、ウィルスの影響度についても大分見当がつくようになりましたので、何れまとめた物を発表する予定です。
取り敢えず、簡潔に言えば、私がセミナーで解説した投資口価格ランキング上位銘柄であれば、何れも投資すべき対象になります。
また既に保有している銘柄の投資口も追加で買うチャンスですから、自らで選別して保有している銘柄であれば積極的に買い増しする絶好のタイミングです。
個々の銘柄についてどうすべきか迷うかも知れませんが、現在の相場水準は投資法人が不動産を取得するより、自己投資口を取得した方が分配金を増やせる状態なのです。
但し、この内容は既にREITの勉強をされた方に対する助言となります。
従ってREITが良く分からない方は対象ではありません。
セミナーへの参加経験のある方であれば、資料を再度ご覧頂きければ、投資すべき銘柄の候補は分かると思います。来週からのご健闘をお祈りしています。


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