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2020. 1.10.Up Dated.
1月は増資が頻発

 昨年12月に実施した投資家セミナーで予想したように、年明けから増資が頻発しています。
一方、増資に併せて相場を維持する動きもあるようで、昨年12月から直近までの東証REIT指数の動きをみると、 12月は下降傾向にあったものの年末から盛り返しています。出来高は年末に比べると年明けからは増えているものの、これは季節要因とも言えますので、もう少し様子を見る必要がありますが、恐らく出来高は年明けからの水準をそのまま維持しそうです。



投資法人の増資が頻発する時期に相場が下がってしまうと、投資法人も増資を引き受けている証券会社も困りますから、証券会社は市場取引を通じて相場を維持しようとするはずです。
今週は、米国に対するイランの報復攻撃によって株式市場が揺れ動いたので、その影響でREITも変動を余儀なくされましたが、米国対イランの対立はこれ以上激化しないという予想から相場は戻し始めています。
元々イランは経済制裁によって国内経済状況も厳しくなっていましたから、米国と本格的な衝突を行う可能性は低かったのですが、株式市場は過剰反応気味だったと言えます。
従って当面は相場を動かすような大きな国際状勢の変化はなさそうなので、このまま増資は増え続けると予想されます。
そこで投資家はどう対応するかが問題になります。
結論から言うと1月の増資は見送りが賢明です。 恐らく市場評価の低い銘柄の増資が頻発すると考えられますが、証券会社の相場維持によって本来の価格より高い増資価格になる可能性があります。
勿論増資内容を詳細に吟味できればケースバイケースの判断になりますが、増資の精査が難しいと考える方はこの時期の増資は見送るのがベターだと言えます。


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