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2019.12.27.Up Dated.
来年はREIT創設20周年

 REITは2001年9月に日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人の上場から始まりましたから、来年はREIT創設20周年に当たります。
この2銘柄の資産規模は合計で約3,200億円(取得価格ベース)で、IPOによる時価総額は約1,360億円でしたので、直近の資産規模19.1兆円、時価総額16.1兆円と比べると、資産総額は約60倍、時価総額は118倍になります。
今のREIT業界には2001年当時からREITに関与した人は残っていないかも知れませんが、最初の2~3年は、REITがここまで成長するとは思っていなかったのではと言えます。
最初の頃は投資口価格水準も芳しくなく、日本ビルファンドの投資口もIPO価格を下回っていた期間もあった位で、資産運用会社は投資家の厳しい視線も浴びていました。
当時は資産運用会社も手探り状態でREITを運営していたのと、何が正解なのか分からないままでした。
この頃私は頻繁に資産運用会社と会っていて、資産運用会社から意見交換をお願いしたいという誘いが来ました。
資産運用会社が聞きたかったことは、保有資産の質がどうなのか、そしてどういうクオリティが求められているかが中心でした。
当時でもS又はAクラスビルを取得する事は困難でしたから、一等地の丸の内や大手町のオフィスビルは中々買えません。そこでスポンサーに新築大規模ビルを開発してもらってその持分を取得する方法を勧めたり、賃貸住宅を組み入れるポートフォリオを提案したりしました。
投資法人の中には、上場前の準備段階から意見交換を求めてきたこともあり、、当時は頻繁に資産運用会社の人と会うことになりました。
また2つの投資法人が連携して国有地の入札に参加するプロジェクトも立ち上げたりしましたが、これはリーマンショックによってとん挫しました。
更には、オフィスビル系投資法人が連合を組んで、大規模ビルの取得を行うというスキームを作ったりもしましたが、その後の不動産価格高騰によって私募ファンドにさらわれてしまったという事もありました。
何しろ当時REITはマスコミからも際物扱いされていて、何時消滅するか分からないという存在でしたので、何とか健全な成長を遂げないといけないという思いがありました。
私はREIT専門の論評を行っていた為に、新聞やテレビからの問い合わせもありましたが、中には老婆心から「REITの将来性は低いので、方向を変えた方が良い」というアドバイスも何度かありました。
この時私は決まって反論しました。 「REITは将来必ず大きな市場になる。勿論規模では米国REITには及ばないが、質では米国REITを凌駕することだって可能だ」とマスコミにも資産運用会社にも明言していました。
翻って今のREITを見ると、確かに規模としては大きな成長を遂げましたが、質としては依然として未達です。 全ての投資法人のクオリティが高くなるというのは幻想ですから、玉石混交が自然な姿だとは言えますが、もう少し全体のレベルが上がる余地はあるだろうと思っています。
そんな事を思いながら、振り返れば私もREIT専門で20年続けて来た、そして続けられたという思いもよぎります。


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